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オランダの気象専門家、今年は暑い夏を予想
今年の夏は紫外線指数(UV インデックス)が10段階で8に上る日が多いと予想される。実際気象専門家のパウルスマ氏は、今年の夏は暑く、さらに激しい降雨も予想している。

同氏によればUVインデックス8というのはオランダでは最高値とみなされている。この指数が高いことは太陽光からくることもあるが、オゾン層破壊による紫外線が強いことを示す。逆に紫外線が強くても必ずしも気温が高いとは言えず、あまり暑くない日でも紫外線が強いということもある。パウルスマ氏は、この現象を地球温暖化の現象だと断言している。オランダだけでなく、周辺国でも同じ様な現象が予想されており、暑い日が続くと思うと突然雷をともなう豪雨やヒョウ、そして強風に襲われたりする。

今週の水曜日と木曜日は紫外線指数7から8。気温は水曜日は24度から25度だが木曜日は27度から28度と暑くなる。あまり暑くなくても紫外線が強いので日焼け止めは塗ったほうがいい。皮膚のタイプによって違うが、紫外線度8になると白人だと10分で日焼けするという。


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温暖化でオランダでのマダニ増加、ライム病の危険
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国立衛生健康環境研究所(RIVM)の調査によれば、オランダでのマダニ咬傷数が過去10年間で30%増加し、150万件となった。RIVMとワーへニンゲン大学共同で作成したウェブサイトである「マダニレーダー」tekenradar.nlは、マダニ咬傷数や場所を示している。これによれば、オランダの東部での発生が多く、6月と7月がマダニの活動ピークである。

気候温暖化に伴いオランダでのマダニの繁殖が増加している。さらに6月や7月は野外で活動する人が増えているため、咬傷数も増加する。マダニは森林だけでなく、公園やゴルフ場そして子供の遊び場にも生息する。

マダニ咬傷を予防するために、「Nature Today」というアプリが開発されている。自分がいる場所でマダニが発生しているかどうかを確認できるもの。マダニに咬まれても単に赤く腫れるだけで病気にならない場合が多い。しかし、スピロヘータ科ボレリア属の細菌であるライム病ボレリアを持つマダニに咬まれるとライム病を発症する。オランダでは毎年27,000人がライム病に感染している。この数は20年前の4倍である。このうち1500人は直後に筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、倦怠感などの激しい症状が出ているという。感染から数ヶ月~数年を経た「慢性期」には、慢性萎縮性肢端皮膚炎、慢性関節炎、慢性脳脊髄炎などが出現する。大抵の場合は抗生物質で治療が行われる。

温暖化でヤブ蚊やマダニなどの熱帯の害虫がオランダにも侵入
かつては南欧にだけ生息していた人間に害を与える毛虫やダニなどが北上し、オランダでも問題化している。ワーヘニンゲン大学の生物学者でギョウレツケムシ情報センターの長であるファン・フリートによれば「ヨーロッパの自然界で大移動が起きている。」そうだ。ベルギーのアルデンネ地方ではマツノギョウレツケムシが繁殖し、この毛はオランダの樫の木につくギョウレツケムシよりタチが悪いという。またアジア原産のヒトスジシマ蚊(Tiger Mosquito)もオランダに潜入しており、チクングニア熱やデング熱を発症させる原因となっている。

さらにマダニにも注意が必要だ。イボマダニ(Reuzenteek)と呼ばれるこのマダニは、人や動物を刺して血を吸いライム病を引き起こしたダニとはまた別の種類で、主として大型動物や人間を攻撃し、クリミア・コンゴ出血熱を引き起こすウィルスを持つ。これまでこのダニはアフリカとアジアそして南欧、東欧に生息していたが、今ではドイツでも発見されている。ツゲの木につく蛾も最近オランダに侵入してきた。この蛾にやられるとあっという間にツゲの木は丸裸に食い尽くされる。

害虫の北ヨーロッパへの大移動には、飛行機や車による人の移動が一要因となっているが、地球温暖化が一番の原因だ。オランダは100年前に比較して平均気温は2度も上昇している。50年前のフランス中部の気温だ。もうひとつの原因は、オランダ内の生物多様性(Biodiversity)が減っていることがある。例えば、大量の昆虫の消滅がある。これにより一種類の危険な生物が繁殖する可能性が高まる。

温暖化の影響は花粉症患者の増加にも見られる。さらに、日射時間の増加による皮膚がん患者の増加も同様だ。

オランダの高校生、地球温暖化政策に対するデモ。政府の反応は?
木曜日、オランダ全土から国会や政府機関のあるハーグに集まった高校生約1万人(高校生側では3万人と発表)が、政府の地球温暖化対策が十分でないとし、改革を求めるデモを行った。ルッテ首相は、この気候変動を憂う青少年のデモを「素晴らしい」と絶賛する一方で、政府が現在行っている温暖化対策以上は約束できないというコメントを発表した。ルッテ首相によれば、オランダは他の欧州諸国と比べ気候変動に関してはより多くの措置をとっているという。2030年までの二酸化炭素排出削減計画を取り上げ「これ以上何を望んでいる?」と問いかけ、これ以上の対策は不可能だと語った。

ルッテ首相は、今回の高校生によるデモを政府との綱引き競争にしたくないという意向を示し、デモ参加者と政府が協力し綱を引こうと呼びかけた。オランダの気候変動対策を担当するヴィーベス経済相は、青少年がデモを行うことに理解を示している。「将来の気候変動は我々の世代よりも彼らが直接被害を受けるものである。」だとデモをする高校生たちに同情した。

トランプ氏の温暖化対策撤廃に反対するオランダ政府、米国で「気候第一」会議を計画
アメリカのトランプ大統領は3月28日、オバマ前政権の温暖化対策を撤廃する大統領令に署名した。トランプ大統領が署名した大統領令は、アメリカの二酸化炭素排出量縮減に向けてオバマ前大統領が取り組んでいた対策の大部分を無効にする。また、2015年に195カ国が署名したパリ協定で設定された、アメリカの温室効果ガス削減目標を達成する見込みもなくなる。パリ協定は世界最大規模の温室効果ガス排出国である中国とアメリカを含んだ、気候変動に関する初めての国際協定だ。

これに対し地球温暖化対策に積極的なオランダは、この大統領令に反対。環境副大臣であるシャロン・ダイクスマは、5月に米国で「America First」をもじった「Climate First」(気候第一)と題した会議を計画している。「2015年のパリ協定での決定は、米国大統領であってもくつがえすことはできない。」とダイクスマ氏は憤りを隠せない。パリ協定から米国が抜けることになると、温暖化対策は困難となる。

ダイクスマ環境大臣が計画する会議には、欧州各国の環境大臣そして進歩的な米国の都市の代表、さらにカナダの州や都市の代表も参加が見込まれている。ダイクスマ氏は、地球温暖化対策を積極的に進めている米国カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事と密接に協力を続ける意向。

石油会社シェル、すでに1986年に地球温暖化を予測していたが、何もせず
オランダ・英国を本拠とする多国籍石油企業シェルは、1986年にCO2排気による気候変動を警告する報告書を作成していたことが判明した。コレスポンデント紙が内部書類などをもとに調査し、27日これを発表した。

内部報告書の中で、石油などの化石燃料使用が地球温暖化の元凶となることに触れている。しかしながら、この報告書は無視され、同社は化石燃料の採掘と精製を続けてきた。1986年のシェル・レポートでは、このまま温暖化が進むと地球に人類は住めなくなると警鐘を鳴らしている。さらに大洪水、異常気象、移民急増などの「人類史始まって以来の変化」が起きると予測していた。

シェルは1991年には気候変動に関する映画「Climate of Concern」を制作、学校や大学で上映した。「最後の審判の日が来る前に行動を」というメッセージが込められた映画だった。その後2006年に米国の副大統領であったアル・ゴア氏が「不都合な事実 - An Inconvenient Truth」という気候変動による地球破壊に関する映画を発表しているが、それ以前にはこの問題に関心を持つ人は少なかった。

シェルは1997年に再生可能エネルギーへの意向を唱えたものの、実際に使われているのは全投資額の1%のみ。そのほとんどが天然ガスの採掘だ。