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オランダ、賃上げとワークロード緩和要求で小学校教師1時間スト
オランダ全土の小学校教師はワークロード緩和と賃上げを要求し、火曜日1時限の授業をなくすというストを行う。さらに授業のあと午後16時には国会のあるハーグでデモを行う。オランダの小学校では仕事量の多さと給与の低さが問題になっており、この改善を要求しストを行うもので、オランダ全土の小学校の85%である約5500校が参加する。小学校教師の給与は月額2361ユーロ(税引前)から2708ユーロ(同)(参考Loonwijzer.nl)となっており、中高学校の教諭より20%低いという。

インターネット上の請願書には教師だけでなく生徒の親などが28万人が署名している。また10万人の教師たちが実際に署名した請願書を火曜日マーク・ルッテ首相に持ち込む計画だ。

教育省のブスマーカー大臣とデッカー副大臣は月曜日、本年度の予算には賃上げの余裕はないと国会に書面で報告している。不慮のコスト高と生徒数の増加で、予算をすでにオーバーしているというのがその理由らしい。


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オランダ首相会見、リスクが高いためロックダウン延長。小学校は5月11日から再開
21日19時から行われたオランダ首相会見にて、コロナウィルス対策の緩和や継続が発表された。4月28日までと暫定的に決まっていたコロナウィルス蔓延防止対策は、ほぼすべての事項で5月19日まで延長されることになった。「この決断は大変苦しいもの」と首相は会見で胸の内を語っている。ウィルスが完全に消え去っていない状態で、規制緩和を行うことはあまりにもリスクが高い、というのが延長決断の理由だ。現時点で、コロナウィルスによる死亡者数、入院者数、ICU入院者数ともに減少する傾向にあるが、医療従事者は手一杯の状態。緩和することでまたウィルス感染が広がれば医療崩壊を招く可能性がある。
4月21日の記者会見にて発表された規制緩和と対策延長は以下の通り。

* 小学校は5月11日から再開。ただしクラスの半数ずつ1日ごと交代で登校する。保育所や特殊学校は5月11日から全員が登校可能となる。
* 12歳以下の子供は4月28日から外で運動やスポーツが自由にできる。12歳から18歳の子供もスポーツが可能だが1.5メートルの距離は取らねばならない。シャワーはスポーツクラブやジムではなく家で浴びる。大人はこの緩和から除外されている。
* すべてのイベントや集会は8月31日まで開催中止。夏に開催予定のフェスティバルなどはすべて中止となった。
* 美容院やマッサージなどの人との接触を行う仕事もまだ再開はできない。ただし、歯科医や歯科衛生士はマスクや手袋を使用しているので営業開始できる。
*レストランやバーなどの営業(3月16日に発表された規制に適用される業種)もまだ再開できない。老人ホームなどの施設への訪問も同様だ。

政府は、5月19日の一週間前に規制が緩和されるか、さらに延長されるのかが決定する。

オランダの小学校、深刻な教師不足
オランダの小学校は深刻な教師不足に直面している。新学期(9月)に向けて現時点で3,500人の教師が不足している。夏休み後には1,400人の教師不足で学校を再開しなければならなくなると見られている。昨年も新学期も1,300人の教師不足で新学期が始まっている。

教師の数が足りない場合には学校はそれなりの対処をせねばならなくなる。授業時間を減らしたり、教育を専攻する学生を雇用するといった対処法は、教育の質の低下につながる。教師不足は昨年より5%増加しており、このまま行くと2027年には10,000人が不足すると試算されている。特にランドスタットと言われる西側の地域(アムステルダム、ハーグ、ロッテルダムなど)での教員不足が目立っている。特にオランダ語を母国語としない外国人の多い学校などが就職を希望する教師が激減している。例えばユトレヒトのダ・コスタスクールは生徒の95%がモロッコ系である。こういった学校に就任したいという教師は少なく、教育の質がますます落ちるという悪循環となっている。

教師不足を発想を転換して補おうという試みもある。ユトレヒトのカナールアイランドにある移民が多く教師が不足している学校では、ユニークな試みを行った。教師の代わりに1週間に一度ヒップホップのスターを呼び、子どもたちにヒップホップの歴史を教えたりラップを作らせ踊りを教えた。言葉やクリエーティビティーの発達に役に立った、と学校。

採点ミスで小学校最終学年生徒、間違った進路アドバイスを受ける
日本の小学校6年生にあたるオランダのグループ8の生徒は、中等教育を選択するために試験を受ける。試験の結果で、大学進学コースか職業訓練コースかなどの進路アドバイスを受ける。試験はCITOと言われる中央管理されている試験と民間試験があるが、この民間試験を受けた子どもたちのうち数千人が採点ミスで間違ったアドバイスを受けた可能性があると教育省が発表した。

4月に試験を受けた11歳から12歳の子供の総数は175,000人。このうち採点ミスがあったのは19854件である。この中で実際よりも高いレベルの学校をアドバイスされた子供は18288人。問題なのは実力よりもレベルの低いコースを推奨された子どもたち1566人。採点は民間テスト会社ではなく、独立した採点専門家が行っている。民間テスト会社は火曜日このミスを各小学校に伝えた。間違った試験結果を受けた子どもたちは再度試験を受ける必要はないという。

報告を受けたスロブ教育大臣は「進路選択をアドバイスする小学校が、再度進路アドバイスを検討しなければならない自体になったことは非常に遺憾」だと述べている。先週までに試験結果を受け取った子供のうち11%は間違ったものを受けている。CITOテストでは採点ミスはなかった。

オランダ人の小学校教師、世界のベストティーチャー10に選ばれる
オランダの小学校の先生、デイジー・メルテンスさんが世界のベスト・ティーチャーのファイナリストに選ばれた。デイジーさんはヘルモンドにあるデ・フュアフォーヘル(Vuurvogel)小学校で教えている。この世界ベスト・ティーチャー賞は特別な功績を残した先生に与えられるが、今回のコンテストには179カ国から1万人が参加した。

デイジーさんは2016年にオランダのベスト教師に選ばれている。今教えている学校には30カ国の国籍を持つ440人の子供がいる。多くの子供がオランダ語や学習の問題をかかえている。デイジーさんはこういう子どもたちのために、個別の学習目標やプロジェクトをつくることで子どもたちのやる気を引き出している。例えば、環境に優しいテーマパークをデザインしようといったプロジェクトだ。

デイジーさんは小学校で教えるほかに、教師のためのトレーニング活動も行っている。さらに子どもたちを巻き込んで、どういった教育がいいかなどをともに考えるといったプロジェクトにも積極的だ。詳細については、以下のページで。
この大会の結果は3月24日にドバイで発表され、優勝者には100万ドルの賞金が出る。

オランダの小学校、知識移住者の外国人の子弟が大量に流入
オランダで仕事をする外国人従業員が増加するとともに、アイントホーフェンやアムステルダムそしてハーグ近郊の現地校に入学する子供の数が急増している。幼稚園や小学校はオランダ語を話さない子どもたちへの対応が迫られている。企業は海外からいわゆる知識移民(kennis immigrant、highly skilled immigrant)と呼ばれる技術者やIT部門従事者を大量に雇用しており、これからも増加が予想されている。アイントホーフェンでは2030年までに4000人の外国人生徒が増加すると見ている。同市のライハーラーン小学校では、すでに幼稚園(Kleuterschool)の生徒の3分の1、幼稚園低学年(Peuter)の半数が外国人の子どもたちである。外国人従業員の子弟は、以前はインターナショナル・スクールに入学していたが、最近では両親の滞在期間が長くなる傾向があり、最初から現地校に入学するという選択肢が増えている。またこれらの知的移住者に対して、企業が子供への学費を負担しないというのも現地校へ通う子供の増加の一因である。アイントホーフェンでは小学校に外国人クラスを設置しオランダ語の言語教育を始めている。

インドなどからの外国人従業員が多いアムステルフェーンでも、すでに1500人の子供が現地の小学校で学んでいる。この数はさらに増えると見られていおり、市当局では子どもたちへのオランダ語教育など解決策を検討している。

過去13年でオランダで働く知的移民の数は50,000人となった。このうち40%はインドからの移住者である。アムステルダム、アムステルフェーン地区でもインド、中国、そして日本といったアジアからの知的移住者が20,000人を超えた。