安全情報・大使館情報

オランダ内および海外の安全情報や大使館情報を載せています。

オランダ地方選、極右のフォーラム・フォー・デモクラシー党(FvD)が大躍進、VVDと第一党に
昨日20に行われたオランダ地方選挙(上院選挙)で、これまで議席がなかったフォーラム・フォー・デモクラシー党(FvD)が大勝した。(93%開票時) FvDはルッテ首相の率いる自由民主党(VVD)党と同数の12議席を獲得している。野党の衰退は目立つものの、左派の緑の党(Groen Links)は、9議席とこれまでの4議席から大幅に躍進した。

ティエリー・ボーデットが率いる新党FvDゼロ議席から12議席へと、第一党としてVVDと肩を並べる形となった。ルッテ首相は、FvDを無視するわけにはいかなくなると会見で述べている。同じような政策を掲げていたウィルダース氏の率いる極右のPVV党は9議席から5議席へと縮小した。この他、キリスト教民主党が12議席から9議席へ、労働党が8議席から7議席へ、社会党が9議席から4議席へと議席を失っている。

FvDはEUに反対し国民投票を提唱している。さらにオランダの価値を守るための移民排斥と国境管理強化を求めている。

オランダ地方選と一昨日の銃撃事件の影響
本日20日はオランダの地方議会とWaterschapというオランダ独特な水管理委員会選挙。後者はオランダに住んでいる人なら国籍に関係なく日本人にも選挙権がある。投票用紙配布数は1310万通。全土に1万近い投票所がある。投票は夜21時まで。

地方議会選挙は伝統的に投票率が低いと言われている。前回は50%に満たなかった。しかし今年は投票率が上がると見る向きもある。2日前に起きたユトレヒトでの銃撃事件と天気の良さがその理由だ。ユトレヒトの銃撃事件はまだテロとは確定していないものの、反移民を掲げる極右党である自由党(PVV)党と民主フォーラム党(Forum voor Democratie)には追い風になるかもしれない。ただ、この両党の支持者は固定しているため、新規にこの事件を受けこの両党に投票をしようとする人は少ないという見方もある。また、脅威が迫っている場合には一般的に既存の政党に投票するという過去のデータもあることから、ルッテ首相のVVD党に有利という説もある。
世論調査では、自由民主党と反EUと反移民を掲げる民主フォーラム党が拮抗している。

ユトレヒトの銃撃事件、容疑者逮捕
18日朝ユトレヒトで起きた銃撃事件で3名が亡くなり5名が負傷した。トルコ出身のギョクメン・タヌシュ容疑者(37)は、事件の数時間後、現場から約3キロ離れた建物内に潜んでいるところを発見された。捜査当局によると、銃撃犯の犯行動機はまだ不明。

タヌシュ容疑者は2週間前にも、自転車窃盗、店舗無断侵入で逮捕されている。それ以前にも強姦罪で逮捕されるという経歴があったが数日後釈放されている。強姦の被害者であるアンジェリーク(47)によれば、タヌシュが事件後に自分のところに押しかけるのではないかと不安だったという。タヌシュ容疑者はコカインを服用し、強姦し暴力をふるったという。アンジェリークは、容疑者はテロリストではなく、ただの精神異常者だと断言している。また近隣の人も容疑者は普段から情緒不安定だと証言している。一時期熱心なイスラム教徒になったかと思うと、酒を飲みだすなど、一貫性がなかった。

別の情報源(近隣の住民)では、タヌシュの家族はサラフィー主義のセクトに属しているという。タヌシュもこの感化を受けていた可能性もある。弟はチェチェン紛争に参加していたとみられ、フェイスブックのページにはジハードの旗の写真が載っている。チェチェンのイスラム武装勢力は、過激派「イスラム国(IS)」ともつながるとされる。しかし、今のところ銃撃の動機は明らかにされていないため、テロと結びつけるのは時期尚早である。

銃撃発生を受けて、空港やモスクに準軍事警察を配置するなどユトレヒトの警戒レベルは最高レベル5にまで引き上げられたが、容疑者逮捕を受けて4に引き下げられた。
(画像はトラム内のカメラが撮ったもの)

ユトレヒトのトラム内で発砲事件、警察はテロを警戒
18日10:45ごろユトレヒトのトラム内で発砲事件があり数人が負傷した。事件が起きたのはユトレヒトのカナールアイランド地区にある24オクトーバー広場(24 OKTOBERPLEIN)付近。現在警察が捜査中だが犯人は逃走中だという。警察はテロの可能性があると調査を進めている。

当局によれば、ひとりの女性は胸を数箇所撃たれ重症。道路にも負傷して横たわる人が蘇生治療を受けている。トラムの中でも数名重傷者がいる模様で救助隊が手当をしている。

付近は現在交通閉鎖中。高速道路A12のOudenrijn付近の一車線も救急車などの通行で閉鎖されている。市内はトラムの運行はすべて中止。またユトレヒト市内の各学校は厳重警戒をするよう警察から指示されている。ユトレヒト中央駅も警戒を強化している住民には外出を控えるよう呼びかけている。
(画像はNOS)

気候変動対策で数万人の雇用
オランダ持続可能エネルギー協会(NVDE)の依頼でTNO(オランダ応用科学研究機構)が調査した結果、政府の気候変動対策により雇用が拡大することが判明した。TNOによれば、39,000から72,000人のフルタイムの雇用が実現するという。政府の気候変動対策の要領は先週水曜日に発表されている。

持続可能エネルギー(化石燃料に替わる代替エネルギー)関連の仕事が増える一方で、旧態依然のエネルギー部門では雇用が減るとTNO。例えば石炭火力発電所やガソリンスタンドなどでは6000人から11,000人の雇用が減ると試算している。またメンテの必要が少ない電気自動車が増えれば、これまで修理や整備を行っていた自動車整備工場でも雇用が減ることになる。これに対し、風力発電パーク開発や家屋のエネルギー元の改善などに関する業種で多くの雇用が生まれる。

3月18日(月)オランダ全土でスト
月曜日朝、オランダ鉄道(NS)やトラムやバスなどの都市交通機関が66分間ストを行う。このため都市部からの列車は始発が7時06分からとなる。その後は通常通り運行する。ストが行われるのは、デン・ヘルダー、ホールン、アルクマール、、エンクハウゼン、ユトレヒト、ハーグ、ヘンゲロ、エンスヘーデ、アーネム、ロッテルダム、アムステルダム、アイントホーフェン、マーストリヒト、そしてヘールレンが予定されている。オランダ鉄道の労組は、年金受け取り年齢を66歳に早めることを求めてストを行う。66分という数字はそこに由来する。
このストの発表を受け、自動車協会ANWBは月曜日朝の車の渋滞を懸念している。

オランダ鉄道以外でもアムステルダム、ロッテルダム、ハーグでは、メトロ、トラムそしてバスの運行が朝6:00から7:06まで停止する。また交通機関以外にも、建設、金属、清掃業界では24時間ストを行うと発表している。
スキポール空港でも18日は、清掃およびセキュリティの従業員がストを行う。セキュリティに関しては12.30 から13.36 まで66分間のスト、清掃業務は24時間ストが予定されている。

アムステルダム市、投資目的の不動産購入を禁止に
アムステルダム市は、新規建設の不動産を賃貸目的で購入できないようにする意向だ。住宅不足で悩むアムステルダム市は、投資目的で不動産を購入する企業や個人による不動産価格の高騰を防ぐのが目的だと発表した。同市によれば、投資目的で購入する業者は、非常に高い家賃で主として駐在員や外国人などに家を貸している。一般市民は高額の家賃を払えない。

今後新規に建設される住宅を購入する人は自分で住むことが義務付けられる。ただし購入不動産を賃貸するのが禁止されるのは、新しく建設される住宅に限られる。市の担当議員であるイーフェンス氏は、「実際には古い住宅にもこの規制が適用されるといいのだが、これには法の改定が必要になる。」と述べている。

実際にこの規制がいつからどのような形で導入されるかはまだ未定だ。市当局は現在この規制によるリスクと例外について調査中である。例えば、違反した場合の罰金や、家族に貸した場合などの例外などについて検討している。

先週もアムステルダム市は、民泊に対する規制を強化すると発表している。とくに、国から家賃補助を受けている人がエアB&Bなどで部屋を貸している場合には、83,000ユーロという高額な罰金が課せられる。

政府の気候変動対策、消費者のエネルギー税増税を止め企業への負担を増やす方向に
気候変動の原因であるCO2削減対策費用が、今年度からエネルギー代(税)の値上げとして消費者に転嫁されたことに対し、国民からの反感は大きいものがあった。水曜日、中央統計局(CPB)と生活環境計画局(PBL)の報告書を受け、ルッテ首相とヴィーベス経済・気候担当相は、2020年からエネルギー税は昨年度のものに戻すと発表した。また、今回の発表では、現在の計画がCO2削減目標である49%という数字におそらく到達できないこと、さらに産業界の取り組みが十分でないこと、そして低所得者に打撃を受けることを認めている。

新案の中心となるのは、企業に対するエネルギー税の増税と消費者への負担の低減である。巷では、政府の新案は来週20日に迫っている地方選へのアピールだと言われているが、ルッテ首相はこれを否定している。

産業界向けには、罰金とボーナスシステムを導入。排気ガス量が規定より多い場合には罰金、少なければボーナスを出すという制度である。消費者向けでは、エネルギー税は減るものの電気自動車購入の際の助成金がこれまで最高で6000ユーロだったが、この金額は減る。工業以外でCO2発生源となっているのは酪農業界。ここでもCO2発生を減らす手段が検討されているとともに、これまでCO2を地下に埋めるCCSという方法が計画されていたが、これについては制限される。


オランダでもボーイング737MAXの飛行禁止
エチオピアで起きた米ボーイングの最新鋭機「737MAX」の墜落事故に関連して、同型機の運航を停止する動きが世界各国に広がっている。オランダを含むヨーロッパでも例外ではなく、欧州航空安全機関(EASA)の指令を受け欧州各国が12日の午後20:00から自国の領空での飛行を禁止した。

10日ボーイング737MAX8の機体を使ったエチオピア航空が墜落し157名の乗客と乗員が死亡した。昨年同じ機種がインドネシアで墜落、189名の命を奪っている。EASAは、この2つの事故の原因が機体にあるとはまだ判定されていないが、事故の原因が究明されるまで欧州上空での安全確保のため飛行を禁止すると発表している。

オランダでボーイング737MAX8を使用している航空会社は「オランダTUI」のみ。「TUI」はドイツの企業だが、「オランダTUI」でも現在3機を所有している。このうち火曜日にオランダに向かった2機は、オランダ上空領域に入れなくなったため南ヨーロッパの出発地に戻ることになった。乗客はそこで別の機体を待ちオランダに戻るという。

ボーイング737MAX8の飛行禁止令を出したのは、欧州ではイギリス、フランス、ドイツ、トルコ。マレーシア、オーストラリア、中国、インドネシア、シンガポールのアジア諸国でも飛行禁止は決定している。ただ、FAA米国連邦航空局は12日、同局の調査では737MAXの性能に関する問題は認められなかったと発表、同機の飛行は続いている。

アムステルダム国立美術館、旧植民地スリランカやインドネシアへの美術品返還か
アムステルダム国立美術館は、スリランカとインドネシア政府といわゆる「略奪美術品」を返還することについて話し合うと発表した。Trouw紙のインタビューで、国立美術館のタコ・ディビッツ館長は「美術品返還はもっと早い時期にすべきだった。弁明の余地もない。」と語っている。再来週にも同美術館の歴史部のゴッセリンク氏がスリランカに飛び、古い大砲やバンジャルマシン・ダイヤモンドなどの返還について話し合う。このダイヤモンドはかつてはボルネオのサルタンが所有していたもの。スリランカ訪問の後、ゴッセリンク氏はインドネシアにも出向く。

旧植民地への美術品返還の動きは世界的に拡大している。今年の1月にはフランスのマクロン大統領が、旧植民地の西アフリカ・ベナンからフランスに持ち出された美術品を返還する方針を決めている。今回の国立美術館の美術品返還については、所有者がオランダ国家なので最終決定は政府が行う。先週には、オランダの国立世界文化美術館(ライデンの民族博物館とアムステルダムの熱帯博物館そしてベルグ・エン・ダルのアフリカ美術館の連合体)が、植民地美術品の返還についてレポートを発表した。この3館が所有する美術品は37万5000点にのぼる。この中の植民地から略奪された美術品の自主的返還については政府の決定に委ねられている。

オランダ気候変動対策に対するデモ、アムステルダムで4万人参加
アムステルダムで10日に行われた政府の気候変動対策に対するデモに、暴風と雨の悪天候にもかかわらず4万人が参加した。ほとんどの参加者は穏やかにデモ行進を続け、ゴミなども残さず無事に終了した。デモの参加者は、過激な反政府主義の人たちではなく、ますます暑くなる夏と寒さが厳しくない冬に地球温暖化を実感している一般の人たちで、政府による緊急な対策を要求している。政府の諮問機関である中央計画局(CPB)と生活環境計画局(CPB)は今週の水曜日にも政府案を発表する予定だ。

参加者の多くは自分たちでも二酸化炭素削減に努力しているという人が多く、二酸化炭素発生源となっている肉の摂取をやめたり減らし、家に絶縁材を使用し省エネルギーを行い、車を使わずに公共交通機関を利用、そして飛行機の利用も減らすといった努力をしているという。これに対し政府は空港の拡張を進め、KLMの株式を購入しその拡大に参与するなど温暖化を推進しているという批判が参加者から出ている。また不通や遅延の多い列車の運行に対する不満も多い。

政府の温暖化対策に対し批判的な政党は、野党である緑の党、社会党、労働党、そして動物愛護党であり、連立政府の中で唯一批判を表明しているのは民主66党である。このデモ行進を推進したのは、環境防衛(Milieudefensi)やグリーンピース、といった環境保護団体や貧困撲滅団体であるオックスファムなどである。

アムステルダム市、イスラム過激派の影響を受けている高校に懸念
アムステルダム市当局は、イスラム系中高等学校であるコーネリアス・ハーハ・リセアム(Coenelius Haga Lyceum)が非民主的な教育を行っているとし、同校理事会の総辞職を求めている。アムステルダム市市長であるフェムケ・ヘルセマ氏と教育担当議員マーヨレン・ムアマン氏が連名で市議会に書簡を送っている。この学校では生徒が「指導者」と言われる教員複数から指導を受けている。この教員たちはISとつながりのあるチェチェンのテロ組織「コーカサス・エミレート」と深い関係を持つとされている。さらにイスラム過激派との接触もある。オランダ情報安全局(AIVD)は「非常に不穏な事態」であるとし調査を進めていた。AIVDによれば、「指導者」は授業時間の半分をサラフィー主義の教義に費やしているという。

これに対し国家反テロ機関(NCTV)のアールベルスベルグ氏は、同校の授業で差し迫った危険はないという見解を発表。ただ、アムステルダム市がこれまで収集した情報をすべて公開し、両親が学校選択時にこの情報を参照できるようにすべきだとし、市もこれ従った。ムアマン議員は、「指導者らが辞職しない限り市からの助成金は出さない。」と過激派指導者の辞職を迫っている。

これに対しイスラム教育協会(SIO)の会長は、全くナンセンスだと市の決定に異議を唱えている。2017年に開校されたこの学校はアムステルダムで唯一のイスラム系中高等学校だが、当時市当局と教育省は、設立者が教育経験がないこととサラフィー主義に心頭していることから、開校に反対していた。しかし「教育の自由」という根拠から開校が実現されている。生徒たちが過激派の教育の影響を受けていることが明白だというのに、法により市も国も学校の閉鎖をすることができないことに苛立ちを隠せない。(参照記事:3月18日付けVolkskrant)

ブレグジットで、BMWのMINI生産オランダに移行か
あと数週間で英国のEU離脱のデッドラインがやってくる。もしこれが合意なしの離脱(ハード・ブレグジット)となる場合には、BMWが所有する車ブランドMINIの生産はオランダのボルンに移行する可能性があると、BMWの幹部が発表した。

元イギリスの車企業であったMINIはBMWの手中にあるが、すでに生産過程の一部はオランダのリンブルグ、ボルン(Born)にあるVDLネッドカーに移されている。これが将来的にすべてオランダに移るかもしれない。5日にジュネーブで行われた車のショーであるオートサロンにて、BMWのトップがイギリスのスカイニュースに対し「もしハード・ブレグジットとなった場合、現在オックスフォードのMINI生産部門は生産を中止しEUに移す。」と語っている。

一方、移転先候補であるVDLネッドカーにはうれしいニュースである。VDLネッドカーはこれまで三菱やボルボの車の生産を行っていたが、現在はミニの一部のみ。もし生産全部が移行されるなら会社にとってはチャンスである。すでに近隣の土地を購入済みというニュースもある。

イギリスで生産している自動車企業にとって、ブレグジットは悪夢である。欧州への輸出に関税がかかるし費用もかさむ。ホンダはすでに工場閉鎖を決定、日産も英国では新規工場は建設しないと発表している。ジャガー・ランドローバーはチェコに予備の生産拠点を開設、アストンマーチンもすでに緊急用の在庫を増やしている。ブレグジットでEUの弱体化が懸念される一方、英国の産業の斜陽化が現実味を帯びてきた。

欧州各国で展開するオランダ発「ベーシック・フィット」売上急増
フィットネスクラブ「ベーシック・フィット(Basic-Fit)は2018年の利益を発表、前年比58%増の1760万ユーロとなった。売上は23%増の4億200万ユーロ。同社は欧州では最大規模に成長し、現在欧州5カ国に約600の拠点を持ち、180万人のメンバーを抱える。2018年度の成長には目を見張るものがあり、拠点数では108店舗の増加である。メンバー数も21%の増加で184万人となった。拠点はオランダに161、ベルギーに173、ルクセンブルグ10、フランスに252、スペインに33ある。

このフィットネスクラブは安くて質の高いサービスが売りで、月々19.99ユーロで最新の機器が使用できる。その上、欧州にある600ヶ所どこでもメンバーカードが使えるという。

同社によれば、拡張はまだまだ続き、2019年には125拠点のオープンが予定されている。CEOのモース氏は2021年には欧州全土で1000軒のフィットネスクラブを持ちたい意向。

オランダ、歯科医不足で外国人歯科医が増加
歯科医不足に悩むオランダではドイツ、ベルギー、スペインそしてポルトガルなどから歯科医を集めている。オランダ歯科協会(KNMT)によれば、2001年には外国人歯科医は366人だったのに対し、現在ではオランダ全土8670人の歯科医のうち1460人、18%が外国人である。とくにゼーランド州では35%と外国人歯科医率が高く、これに続きオーバーアイゼル州の23%、南オランダ州の21%、フリースランド州の18%となっている。この歯科医不足は、退職する歯科医の数(毎年300人)に対し、歯科医資格をとる学生数が240人と少ないことが原因だ。

歯科医の資格を取る学生の大半が女性で、大都市で働きたい人が多いため、地方での歯科医が不足している。健康省では歯科衛生士が歯科医の仕事の一部を担当できるようにすべきだと主張している。例えば小さな虫歯の治療やレントゲン撮影そして麻酔注射などは歯科衛生士が担当してもいいという。これにより歯科医は時間やコストが節約できる。これに対し歯科協会(KNMT)や歯科連盟(ANT)は政府案に反対。こういった治療には別の教育が必要であるし患者も歯科医に治療してもらうのを好むというのが彼らの主張だ。

KNMTは外国人歯科医の導入に積極的ではない。経済危機以降オランダで働く外国人歯科医が増え続けているが、たいていが5年以内に母国に帰ってしまう。オランダ人歯科医の養成を促進すべきだと主張している。政府は歯科学科の生徒数を現状の259人から311人へと引き上げると発表したが、2020年に入学しても歯科医として働けるのは2027年だ。このままで行くとオランダの外国人歯科医は現在の18%から25%へと増える可能性が高い。

食品廃棄を減らすためのヒント
先進国では食品廃棄が問題になって久しい。オランダでもこれを減らす試みが行われ2010年にはひとりあたり年間48kgの食品を廃棄していたのが2016年には41kgへと減った。しかし、これも決して問題解決にはなっていない。そこで、食品センター、ワーヘニンゲン大学、スーパーマーケット各社、マクドナルドそしてラボバンクが共同で「あなたは食品廃棄を減らしている?」というキャンペーンを開始した。

消費者の食に関する情報提供やアドバイスを行う食品センター(Voedingscentrum、政府が100%助成)によれば、小さな子どものいる家庭が食品廃棄が一番多いという。食品廃棄は環境に悪いだけでなく非経済的だ。一世帯平均50ユーロ分の食品を捨てているが、1年では600ユーロにもなる。

廃棄直前の食材を使って調理するレストラン「Instock」が食品廃棄を減らすいくつかのヒントをあげている。スーパーマーケットに行く時はショッピングリストを持参し、余計なものを買わない。料理するときは人数分のみ。冷蔵庫は食品を長期保存できる4度ぐらいに設定する。残り物はできるだけ冷凍する。といった当たり前のことなのだが、それを行わず余った食品はゴミ箱行きという家庭が多いという。

このレストラン「Instock」以外にもここ数年オランダではいくつかの食品廃棄をなくす試みが行われている。2018年から、ホテル、スーパーマーケット、パン屋、デリカテッセンなどが余った食品を知らせ、消費者は安い価格でこれを引き取れるというアプリ「Too Good To Go」が利用できるようになった。アムステルダムの5星ホテル「The Grand」もこれに参加している。毎朝の朝食ビュッフェでは大量にチーズ、パン、ハムなどが余る。これまではこれを廃棄していたが、今ではアプリで欲しい人に販売している。このアプリ「Too Good to Go」にはオランダだけで約1100の企業が参加。アプリ利用者は約35万人に登るという。

アムステルフェーンとアムステルダム南駅を結ぶトラム51番廃止に
3月2日はトラム(メトロ)51番が運行する最後の日だった。最終列車には名残を惜しみ多くの人が乗車した。アムステルフェーンの南部ウェストワイクとアムステルダム中央駅を結ぶ線は、インフラが弱く故障が多かったり地上を走るため死亡事故も何度か起きた。このため今年から2021年初頭完成を目標に大改装工事が始まっている。トラム(メトロ)51のウェストワイクとアムステルダム南駅間は工事が終了するまで廃止される。

アムステルフェーンの中心(スタットハート)とアムステルダムの北西を結ぶトラム5番は、これまで通り運行するが、一部の駅が廃止されたり移動しているので注意が必要。ウェストワイクからアムステルダム南駅を結ぶのはバス55番。そこから中央駅まではメトロ51番が52番に乗り換えることになる。
新しい「アムステルトラム」は2020年末から2021年初めに初運行予定だが、アムステルダム南駅終点。そこからアムステルダム市内へ乗り換える。「アムステルトラム」は将来的にはアウトホールンまで延長予定だという。

詳細は以下のサイト(日本語)にあるリンク「Factsheet Amstelveenlijn d.d. mei 2018 Japanese」で。

オランダの建築家、水に浮かびハリケーンでも壊れない家の建設
オランダの建築事務所ウォータースタジオ(Waterstudio.nl)は、ハリケーンでも波の上に浮かんでいられるという高級水上ハウスを建設した。今後は水上に浮かぶ高層住宅やパーキングそして公園も手がける予定で、水上シティの建設の計画もしている。

建築家クーン・オルトハウスは米国のマイアミでハリケーンに強い水上ハウスのプレゼンを行った。6メートルの高さの波にも乗れる世界で初めての水上ハウスだという。これまでの水上ハウスはハリケーンになると波と風が直撃していたが、この問題は家と海底をつなぐ柱が水の圧力で上に持ち上がるという方法で解決した。高波は家を直撃せずにその下を通り抜ける。

この水上ハウス(Water Villa)はオランダのオフショア技術を利用している。オルトハウスさんによれば、北海に浮かぶ石油採掘所は波が高くなるとそれとともに浮上する。ウォータースタジオはこの技術を使った住宅建設を15年前から始めている。今回発表した最新のウォータービラは550万ユーロ(7億円)と高額だが、今後いろいろな価格帯の家の建設や、学生用アパート、パーキングタワー、公園なども計画している。東京、シンガポール、ニューヨーク、香港といった水に面した大都市は津波や台風といった水の問題が脅威となっているため、ウォータースタジオ社はビジネスチャンスだと述べている。これから開発予定の水に浮かぶシティは解決策になりうる。とくにマイアミは土地が柔らかいため堤防の建設は不可能。このためオルトハウスのウォータービラは魅力的らしい。

ホックニー展「The Joy of Nature」ゴッホ美術館で3月1日から5月26日
世界的に有名な画家デビッド・ホックニーのヨークシャー時代の作品がアムステルダムのゴッホ美術館で展示される。「The Joy of Nature」と名付けられたこの展覧会は、オランダでは初めての展示である。ホックニーがいかにゴッホの絵に影響されたかがよくわかる作品が、ゴッホの絵とともに展示されるという面白い試みである。92のパーツからなる幅9メートル、高さ3.66メートルの「ウォルドゲート、春の訪れ」という巨大な作品やiPadで制作した作品など、21世紀に入ってから制作した作品が中心である。「世界は色に満ちている。美しいと思う。自然は偉大だ。ゴッホは自然を礼拝した。彼は惨めだったかもしれないけれど、それは作品には出てこない。気持ちが沈むこともあるけれど、世界を見て楽しまなくては。」とホックニーは語っている。

日時:3月1日から5月26日
場所:アムステルダム・ゴッホ美術館

オランダ政府エールフランスKLM株式さらに買い増し、フランス政府と同等の14%に。フランス政府怒りの反応
オランダ政府はオランダの国内経済を守るという目的で、エアフランス・KLMの株式を買い増ししたが(昨日の記事参照)、昨夜27日夜「現在フランス政府の持ち株14.3%とほぼ同等の14%にまで買い増しを完了した。」と発表した。オランダ政府の持ち株市場総額は7億4400万ユーロ。これについて、フランスのル・モンド紙はフランス政府は「驚き、そして友情に欠ける行為」だと非難していると書いている。「フランス政府はこの買い増しについて全く事前に知らされていたなかった。」とし、マクロン大統領はオランダ政府に対し買い増しの目的を明確にするよう求めている。

フランスの経済相ブリューノ・ル・メール氏は今週末にもオランダの経済相フークストラ氏と会見する予定。ル・メール大臣はオランダ政府の介入に対し「理解できない。そして予想不可能な結果。」だとし「競争の激しい航空業界でフランスとオランダは協力しあわねばならない。」とオランダ政府の結論を激しく批判した。オランダのルッテ首相はマクロン首相に今回の買い増しについてはすでに電話で通達済みである。

今回の政府による民間企業への出資に関し、オランダのテレグラーフ紙は次のように分析している。1990年代からオランダは他の国に先駆け国営企業の民営化を進めてきた。郵便、テレコム、鉄道、エネルギーそして介護までが民間の手で運営されている。この流れに逆らうような政府の介入はこれまでの流れを変えるものとなるのか。オランダのフランス化の始まりだろうか?あるいはこれは例外に終わるのか? エアフランス・KLM連合は株式と役員の比率でフランス側が指導権を握っていた。2017年にデルタ航空と中国イースタン航空がそれぞれ10%の株主となったときもオランダ側の意向なしにフランスの決断で行われた。さらに昨年にはフランスのホテルチェーン・アコーへの株式売却もフランスが決めていたが、オランダ側は反対し、これが今回の株式買い増しの引き金となった。フランスに実権を握られていたオランダの反逆といってもいいかもしれない。