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政府の気候変動対策、消費者のエネルギー税増税を止め企業への負担を増やす方向に
気候変動の原因であるCO2削減対策費用が、今年度からエネルギー代(税)の値上げとして消費者に転嫁されたことに対し、国民からの反感は大きいものがあった。水曜日、中央統計局(CPB)と生活環境計画局(PBL)の報告書を受け、ルッテ首相とヴィーベス経済・気候担当相は、2020年からエネルギー税は昨年度のものに戻すと発表した。また、今回の発表では、現在の計画がCO2削減目標である49%という数字におそらく到達できないこと、さらに産業界の取り組みが十分でないこと、そして低所得者に打撃を受けることを認めている。

新案の中心となるのは、企業に対するエネルギー税の増税と消費者への負担の低減である。巷では、政府の新案は来週20日に迫っている地方選へのアピールだと言われているが、ルッテ首相はこれを否定している。

産業界向けには、罰金とボーナスシステムを導入。排気ガス量が規定より多い場合には罰金、少なければボーナスを出すという制度である。消費者向けでは、エネルギー税は減るものの電気自動車購入の際の助成金がこれまで最高で6000ユーロだったが、この金額は減る。工業以外でCO2発生源となっているのは酪農業界。ここでもCO2発生を減らす手段が検討されているとともに、これまでCO2を地下に埋めるCCSという方法が計画されていたが、これについては制限される。



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政府の気候変動対策に対する農家デモ、トラクターで高速道路を通行で大渋滞
水曜日朝、農家がトラクターでオランダ全土の高速道路を通行するというデモを行っている。とくにユトレヒト付近ではかなりの交通マヒが起きている。オランダ交通局は農家に対し道路を封鎖しないように呼びかけているが、混乱は防げず朝7時45分には全土で450kmの渋滞が起きている。とくに渋滞がひどいのが、高速道路A1, A2, そしてA27で、交通局は一般車に対し高速道路を避けるよう呼びかけている。さらに集合場所であるハーグに向かうA12も渋滞が予想されている。

農家はオランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)の調査結果と政府の政策に反対しこのデモを繰り広げている。最初のデモ地点はユトレヒト近郊にあるこのRIVMである。RIVMは、窒素による環境破壊の原因の40%が農家によるものだと結論づけ、政府は自然保護地域から農家の撤去を政策に上げている。農家によれば、RIVMの調査結果が適切な調査方法を取られていず、数値が不正確だという。気候変動の原因を農家だけが負うのは不当であるというのが彼らの主張である。当初デモはハーグの国会議事堂から開始する予定だったが、許可が下りずにRIVMが集合場所として選ばれた。

農家防御軍(Farmers Defence Force)と名付けられたデモには、2000人から3000人の農家がハーグに結集すると見られている。トラクターでやってくるのはその一部で、他のデモ隊はバスや公共交通機関で集まるという。このデモは10月2日も行われている。

気候変動対策で数万人の雇用
オランダ持続可能エネルギー協会(NVDE)の依頼でTNO(オランダ応用科学研究機構)が調査した結果、政府の気候変動対策により雇用が拡大することが判明した。TNOによれば、39,000から72,000人のフルタイムの雇用が実現するという。政府の気候変動対策の要領は先週水曜日に発表されている。

持続可能エネルギー(化石燃料に替わる代替エネルギー)関連の仕事が増える一方で、旧態依然のエネルギー部門では雇用が減るとTNO。例えば石炭火力発電所やガソリンスタンドなどでは6000人から11,000人の雇用が減ると試算している。またメンテの必要が少ない電気自動車が増えれば、これまで修理や整備を行っていた自動車整備工場でも雇用が減ることになる。これに対し、風力発電パーク開発や家屋のエネルギー元の改善などに関する業種で多くの雇用が生まれる。

オランダ気候変動対策に対するデモ、アムステルダムで4万人参加
アムステルダムで10日に行われた政府の気候変動対策に対するデモに、暴風と雨の悪天候にもかかわらず4万人が参加した。ほとんどの参加者は穏やかにデモ行進を続け、ゴミなども残さず無事に終了した。デモの参加者は、過激な反政府主義の人たちではなく、ますます暑くなる夏と寒さが厳しくない冬に地球温暖化を実感している一般の人たちで、政府による緊急な対策を要求している。政府の諮問機関である中央計画局(CPB)と生活環境計画局(CPB)は今週の水曜日にも政府案を発表する予定だ。

参加者の多くは自分たちでも二酸化炭素削減に努力しているという人が多く、二酸化炭素発生源となっている肉の摂取をやめたり減らし、家に絶縁材を使用し省エネルギーを行い、車を使わずに公共交通機関を利用、そして飛行機の利用も減らすといった努力をしているという。これに対し政府は空港の拡張を進め、KLMの株式を購入しその拡大に参与するなど温暖化を推進しているという批判が参加者から出ている。また不通や遅延の多い列車の運行に対する不満も多い。

政府の温暖化対策に対し批判的な政党は、野党である緑の党、社会党、労働党、そして動物愛護党であり、連立政府の中で唯一批判を表明しているのは民主66党である。このデモ行進を推進したのは、環境防衛(Milieudefensi)やグリーンピース、といった環境保護団体や貧困撲滅団体であるオックスファムなどである。

トランプ氏の温暖化対策撤廃に反対するオランダ政府、米国で「気候第一」会議を計画
アメリカのトランプ大統領は3月28日、オバマ前政権の温暖化対策を撤廃する大統領令に署名した。トランプ大統領が署名した大統領令は、アメリカの二酸化炭素排出量縮減に向けてオバマ前大統領が取り組んでいた対策の大部分を無効にする。また、2015年に195カ国が署名したパリ協定で設定された、アメリカの温室効果ガス削減目標を達成する見込みもなくなる。パリ協定は世界最大規模の温室効果ガス排出国である中国とアメリカを含んだ、気候変動に関する初めての国際協定だ。

これに対し地球温暖化対策に積極的なオランダは、この大統領令に反対。環境副大臣であるシャロン・ダイクスマは、5月に米国で「America First」をもじった「Climate First」(気候第一)と題した会議を計画している。「2015年のパリ協定での決定は、米国大統領であってもくつがえすことはできない。」とダイクスマ氏は憤りを隠せない。パリ協定から米国が抜けることになると、温暖化対策は困難となる。

ダイクスマ環境大臣が計画する会議には、欧州各国の環境大臣そして進歩的な米国の都市の代表、さらにカナダの州や都市の代表も参加が見込まれている。ダイクスマ氏は、地球温暖化対策を積極的に進めている米国カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事と密接に協力を続ける意向。

オランダ、日本とUNEP共同で気候変動研究センターを設立
オランダ政府は日本政府および国連環境プログラム(UNEP)と共同で「気候変動に関するグローバル・センター・オブ・エクセレンス」の設立に調印した。センターは温暖化の原因となるCO2の削減を目的とするものではなく、気候変動にどう対処していくかのノウハウを蓄積し、世界の国々や団体へのアドバイスを行う。
「現在、世界中で地球温暖化による影響が出ている。このまま何も対策を施さなければ広範囲に自然災害が発生し、社会的、経済的そして政治的なリスクが高まる。」とオランダ環境省のダイクスマ副大臣。オランダはこの分野での豊富なノウハウや知識、技術を利用し、世界にアドバイスを行うという。

2015年パリで世界194カ国が気候変動枠組協定(パリ協定)に調印した。協定の内容は、産業革命前からの世界の平均気温上昇を「2度未満」に抑える。さらに、平均気温上昇「1.5度未満」を目指すというもの。しかし、この協定も米国のトランプ大統領の反対圧力を受け達成が困難になりつつある。

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