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イギリスに貸与しているゴッホ作品、ブレグジット後に関税なしで戻せるのか?
ロンドンのテート美術館では「ゴッホとイギリス」と称したゴッホ展を開催している。イギリス滞在中にゴッホが受けたアーティストそしてゴッホから影響を受けたフランシス・ベーコンなどの作品とともにゴッホの作品を50以上展示している。作品はアムステルダムのゴッホ美術館、クレラー・ミュラー美術館、パリのオルセー美術館などから集められた名作ばかり。今ロンドンでは大人気の展覧会である。

先週展覧会が開催される直前にイギリスのジャーナリストであるジョン・スノウ氏はショッキングなニュースを公開した。EUの美術館はイギリスに(展覧会用に)貸与している作品がブレグジット後に戻ってくるのが困難だと心配。オランダ政府は作品をウィーン公約に基づいた外交郵便で送り、帰還の際にも外国郵便を使い関税や検査を免れようとしているというのだ。たしかに展覧会の終わる8月11日にはすでにブレグジットは終了しているはずで、イギリスはEU外となりこれまでと違いモノの動きには複雑な手続きや税金がかかる。

しかし、ロンドンのオランダ大使館によればこのスノウ氏の話は嘘だという。美術館が懸念しているというのは確かであるが、外交郵便云々の話は正しくない。EUの規則によれば第3国からEUに入ってくる名画(マスターピース)には輸入関税やVATはかからない。逆もしかりである。今、オランダやフランスから米国や日本へ展覧会のために送っている作品には課税対象にはなっていないのと同様、イギリスからゴッホ作品が戻ってきても税金は課せられないはずだというのだ。さらに3月11日にEUは
合意なきブレグジットの際の関税に関する書簡を発表した。この中で、イギリス内に明らかに一時的に滞在するモノに関してはEU内に戻ってくる際には税金はかからない旨が述べられている。ゴッホ作品に対し付加価値税がかかるとしたら巨額な金額になる。この書簡の発表でオランダの美術館は安堵している。


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オランダのシンガー美術館から初期のゴッホ作品盗まれる
アムステルダム近郊のラーレン市にあるシンガー美術館からファン・ゴッホの作品が盗まれた。1884年の春にニューネンで描かれた「春の庭」と題される作品だ。この39cmx72cmの横長の作品はフローニンゲン美術館から貸与されていたもので、同美術館唯一のゴッホ作品だった。シンガー美術館から盗まれたのはこのゴッホ作品一点のみ。

泥棒は30日早朝3時15分ごろ、フロントドアのガラスを破って侵入。アラームが鳴ったが警察が駆けつけたときにはすでに容疑者と絵画は消え去っていた。

今回の窃盗事件では、警察のアート窃盗専門家チームによる調査がおこなわれている。またインターポール(国際警察)で窃盗作品のリストに登録された。シンガー美術館はコロナウィルスの蔓延で現在休館中。
この美術館でアート作品が盗まれたのは今回が初めてではない。2007年には庭に展示されていた彫刻が7点盗み出されている。
3月30日は奇しくもフィンセント・ファン・ゴッホの誕生日であった。

ゴッホ美術館とドレンテ美術館が共同でゴッホ作品購入
ニューヨークでファン・ゴッホの作品2点が競売にかけれたが、このうちの作品1点をアムステルダムのゴッホ美術館とアッセンにあるドレンテ美術館が2800万ユーロで競り落とした。「雑草を燃やす農夫」と題されたこの作品は、夕暮れの人けのない場所での孤独な姿を描いたもの。ファン・ゴッホは1883年に数ヶ月間ドレンテ地方に滞在したが、そのときに描いたものである。この時代に描かれた作品はあまり現存しておらず、この作品は数少ない作品のひとつである。「雑草を燃やす農夫」は両方の美術館で交代で展示されるが、保存や修復作業はゴッホ美術館が行う。

この農夫が描かれた絵は1930年代にアムステルダムのアートディーラーであるジャック・ハウドスティッカーが購入した。1940年にこのアートディーラーが亡くなった後、ドイツの占領軍が没収した。そして最近ハウドスティッカーの義理の娘の手に戻されることになった。

ニューヨークのオークションハウスであるサザビーズは、63万5000ユーロという想定価格をつけていたが、美術館は280万ユーロと高値で落札した。もうひとつのゴッホの作品「パリの公園を散歩する人たち」は、450万から630万ユーロという想定価格だったが、最終的には880万ユーロで落札されている。

北ブラバント美術館でゴッホ展
ブラバント州はオランダの生んだ天才画家ゴッホの生まれ故郷である。同州デン・ボッシュにある北ブラバント美術館で9月21日から2020年の1月20日まで「ゴッホと彼の愛した人たち」をテーマにした「ゴッホの内輪(Gogh's Inner Cicle)」展覧会が開催されている。ゴッホは短気で怒りっぽく気難しい性格だった反面、家族や友人そしてモデルらと親密で温かい関係を望んでいた。

日時:2019年9月21日−2020年1月20日
場所:Noordbrabants Museum

ホックニー展「The Joy of Nature」ゴッホ美術館で3月1日から5月26日
世界的に有名な画家デビッド・ホックニーのヨークシャー時代の作品がアムステルダムのゴッホ美術館で展示される。「The Joy of Nature」と名付けられたこの展覧会は、オランダでは初めての展示である。ホックニーがいかにゴッホの絵に影響されたかがよくわかる作品が、ゴッホの絵とともに展示されるという面白い試みである。92のパーツからなる幅9メートル、高さ3.66メートルの「ウォルドゲート、春の訪れ」という巨大な作品やiPadで制作した作品など、21世紀に入ってから制作した作品が中心である。「世界は色に満ちている。美しいと思う。自然は偉大だ。ゴッホは自然を礼拝した。彼は惨めだったかもしれないけれど、それは作品には出てこない。気持ちが沈むこともあるけれど、世界を見て楽しまなくては。」とホックニーは語っている。

日時:3月1日から5月26日
場所:アムステルダム・ゴッホ美術館

ファン・ゴッホと日本展 (3月23日ー6月24日)
日本に憧れていたゴッホは、日本の芸術について読みあさり、浮世絵を集め模写し、日本の美についてアーティスト仲間と討論を戦わしていたことは有名である。

3月からアムステルダムのゴッホ美術館で開催される展覧会「ゴッホと日本」は、ゴッホがどのように日本の芸術に影響を受けたかを見せるものである。同時代のアーティストであるベルナールやゴーギャンとはそこで一線を画そうという試みがあったようだ。ゴッホが蒐集した浮世絵も展示される。この展覧会は2017年に札幌、東京、そして京都にて巡回展を行っている。

日時:2018年3月23日から6月24日
場所:アムステルダム・ゴッホ美術館