オランダで起業

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オランダのゲイプライドに日本から初参加。オランダで手伝う仲村さんにインタビュー

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 恒例のアムステルダム・ゲイプライドが7月28日から8月4日まで開催されます。その中でも一番注目されるのが8月3日(土)に行われる運河パレード。それぞれ意匠を凝らした80隻のボートの上で目を引く衣装を着て踊るLGBTのグループが運河を航行、オランダのみならず世界中から多くの人が集まります。なんと今年は日本の「プライドハウス東京」が参加し、在オランダ日本国大使館後援でボートを出すとのこと。オランダ側で協力している仲村一巳(なかむらかずみ)さんに、プライドハウス東京のことやゲイプライドについてお話を聞きました。

P: そもそもゲイプライドっていうのはどういうものなのですか?毎年アムステルダムの運河で飾り立てたボートに乗って音楽に合わせて派手に踊りながら航行する運河パレードしか思い浮かばないのですが、実はこのほかにもイベントがあると聞きました。

N:  まずはゲイプライド(Gay Pride)の歴史から話しますね。今では先進国ではLGBTは権利を獲得しつつありますが、昔は大変だったのです。1969年6月28日に、ニューヨークでストーンウォール・ライオット(Stonewall Riot)という事件が勃発しました。「ストーンウォール」というのはニューヨークのゲイバーで、ここにはLGBTの人たちが集っていましたが、そのころはアメリカのほぼ全土で同性愛は禁止されていて、当事者たちは当局からも社会からも抑圧されていました。「ストーンウォール」も何度も警察に踏み込まれ、客の多くはただそこにいるというだけで警察の暴力にさらされ、不当に逮捕をされたりしていました。耐えかねた「ストーンウォール」のビジターたちが警察権力に対して立ちあがり、力には力で対抗したのが「ストーンウォール・ライオット」と呼ばれる市民暴動です。この出来事をきっかけに世界中のLGBT当事者たちが社会からの抑圧に対して立ち上がるようになり、自分たちの権利を求めて行動をするようになりました。それを記念して、現在では世界のいたるところで6月にゲイプライドが行われるようになったため、6月はプライド月間とも呼ばれるようになりました。今年はこの市民暴動から50周年なので、特別にプライドが祝われています。

P: プライド・アムステルダムは、このプライド月間とは別に開催されるものですか?


N: プライド月間にはオランダの他の都市でもイベントが行われました。アムステルダムのプライドはちょっと規模が別格で、毎年世界中から数十万人の人が集まる大きなものなんです。最初はアムステルダムのゲイビジネスグループがアムステルダムのプロモーションとして率先して行ったイベントでしたが、現在では市や企業が財政援助をするなど組織的に運営されている大イベントです。運河パレードばかりが注目されますが、アート、文化、ビジネス、スポーツなどのイベントが計画されており、初日7月27日には「プライド・ウォーク」が行われます。いまだにゲイであることが違法だったり刑罰の対象になる国がありますが、「プライド・ウォーク」はそのような国でプライドをしたくても出来ないLGBTの人たちのためにその国の国旗を持って歩くという、世界のLGBT連帯を目指すものなんです。

P: さて、今年は日本のボート「プライドハウス東京」が初参加ということですが、「プライドハウス東京」について説明してください。

N: 一言で言えば、2020年の東京オリンピック・パラリンピックそして今年9月に始まるラグビーワールドカップ東京大会というそれぞれのタイミングに合わせて設置される、LGBTのアスリートやその家族や友人、そして観戦者や地元の参加者が安心して集い自分らしく過ごせるホスピタリティ施設です。安全な場所を提供するだけでなく、東京に来られた方々にLGBTコミュニティに関する情報を提供したり、将来的には東京からの情報発信基地になることも目指しています。プライドハウス2019は東京の表参道に近い神宮前に9月にオープンします。多様性に関する様々なイベントやコンテンツの提供を目指すもので、個人、企業、各国大使館などが協賛しています。在京オランダ大使館は特別協賛していますよ。

P: 「プライドハウス東京」がアムステルダムの運河パレードに参加する理由は?

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自由と寛容さでは世界の最先端を行くオランダのアムステルダム・ゲイ・プライドにボートを出して参加することによって、「プライドハウス東京」の取り組みを知ってもらうことが目的です。オランダはLGBTの人権活動が世界で最も古くから行われていて、よくゲイの先進国であると言われます。2001年4月に世界で一番初めに法的に保証された同性婚が実現されたのもオランダでした。

P: オランダに住んでいるとLGBTは別段特別なものではないという感覚が備わりますが、日本ではまだ特別扱いなんでしょうか?

残念ながら、世界からかなり遅れを取っていると言わざるを得ません。現在29の国で同性婚が可能であり、同性同士のパートナーシップ登録を国として認めている国はさらに多数あります。G7の中で同性同士の関係を認める法律がないのは日本だけです。
少し古いですが、LGBTの職場におけるカミングアウト(自分がゲイやレズビアンであることを公表する。)率は4.3%という統計もあります。(出典は下記に) でも状況は少しずつですが変わりつつあり、「プライドハウス東京」にも多くの有名企業がスポンサーとして名を連ねており、LGBTに対する理解も広がってきていると思います。

P: さて、今回の「プライドハウス東京」ボートのゲイプライド参加に際して、仲村さんはお手伝いしているそうですが。

私は活動家ではないのでLGBTのために特に何かをしているということはありません。今回は日本の友人たちが「プライドハウス東京」のコンセプトをもって遠いところわざわざアムステルダムまで来てくれるというので、彼らのお手伝いをさせてもらっているだけです。かつてはゲイ情報も載せたブログを書いて、オランダはこんな感じですよという情報発信もしていましたが、いま何をしていると問われると本当に何もしていないのです。日本人のゲイとして自分のことを隠すことをせずにごく普通にオランダ社会の中で暮らしています。オランダの日本人社会の中でもオープンにしています。このことが意外に大事であるのではないかと思います。

今現在は8月3日のプライドに向けて、ボートの準備でいっぱいいっぱいです。「プライドハウス東京」はNPO団体なので、資金が潤沢にあるわけではありません。そこで6月20日からクラウドファンディングを始めました。いただいたご寄付はボートの制作費やアムステルダムプライドにおける「プライドハウス東京」の宣伝活動の費用として使わせていただきます。このクラウドファンディングをなんとか成功させたいと思っています。クラウドファンディングのページは記事の下にあるリンクです。 

嬉しいことに在オランダ日本国大使館から私たちのボートを後援していただける旨、ご連絡を頂きました。おそらく日本の在外公館がLGBT 関係のイベントにオフィシャルに後援をしてくださるのは初めてのケースになると思います。この事実が今後につなげていければ素晴らしいと思います。
来年は東京オリンピック・パラリンピックが開かれ、「プライドハウス東京」活動が本格化します。私もオリンピック会期中に東京に行き、「プライドハウス東京」で世界中から東京に来てくださるお客様にご案内をするボランティアの仕事をしたいと思っています。自分が生まれ育った東京を多くの人に、特にLGBTの方々に見ていただいて、好きになってほしいですね。

出典:Huffingtonpost 


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