ニュース

コロナウィルスでテレビ局、広告業界にも打撃
オランダのテレビ業界は広告出稿の相次ぐキャンセルで苦境に立たされている。さらに番組制作も滞っており、巨額の損失が予測されている。

SBS6などを抱える民放局Talpaは人員削減を計画。公営放送局の広告枠を管理するSTERも広告収入が数十%減っていると報告している。コロナウィルス感染拡大で打撃を受けている飲食業、旅行業、ホテルといった業種は当然のこと、この時期に適切ではないという判断から広告を取りやめる企業も続出している。

広告出稿を大きく減らしているのが大手スーパーマーケットのアルバート・ハイン(AH)。定期的に行われる格安商品のキャンペーン「ハムスターウィーク」の広告を一切取りやめる決定をした。アルバート・ハインのマスコットであるハムスターは、オランダ語の買い占め・買いだめ(hamsteren)を意味する。買いだめが禁止されている現状で、このハムスターウィークは適さないという判断である。

また、ユーロソングフェスティバル、フォーミュラ1,サッカー欧州選手権などの大きなイベントが中止となったことで、広告業界は大きな痛手を被っている。テレビ局の番組制作も滞っており、長年続いたシリーズを取りやめたり、遅らせたりしてしのいでいる。一方、ウェブ広告はまだ順調である。さらにネットフリックスのようなストリーミング・サービスのオランダ版であるビデオランドの会員もうなぎのぼりだという。


関連記事

オランダの107歳の女性、コロナから生還。世界最年長か。
107歳の女性コーネリア・ラスさんがコロナ感染から生還した。世界保健機関WHOによればCOVID19に感染した患者では最年長であるという。

これまで最年長のコロナ生還者はアメリカのオレゴン州に住む104歳の男性だったが、「コーおばさん」と呼ばれているこのオランダ人女性が記録を塗り替えた。ゼーラントに近い南ホラント州に住むコーおばさん(ラスさん)は教会での礼拝中に感染したと見られており、この礼拝にいた人のうち40人も感染している。ラスさんは今週の月曜日に全快したと発表されている。

オランダで100歳を超えたコロナウィルス感染者が回復したのはコーおばさんだけでない。101歳の女性が最初の回復者で、その後103歳の男性が続いている。

コロナウィルス免疫に関するRIVMの見解
これまで、コロナウィルスに感染した人や軽い症状が出た人にはすでに免疫ができていると信じられていた。しかし昨日国会でオランダ公共衛生環境研究所(RIVM)のファン・ディッセル所長は、「軽い症状が出た人に必ずしも免疫ができているとは限らない。」と発表した。つまり十分なウィルス抗体が体内に構築されていないというのだ。この軽い症状が出たという人たちが、ウィルスの蔓延の原因となっている可能性も高い。現在2500ヶ所にある特別養老看護施設のうち900ヶ所でコロナウィルスの感染が報告されている。

RIVMはコロナウィルス免疫についてはさらに調査を進めるが、一番重要なのが検査数であるとしている。現在の検査数では全く足りていない。検査数を増やし、感染者が誰と接触したかを追跡するのが蔓延防止に役立つとRIVM。ただこの追跡は、コロナウィルスが蔓延する前に行われた場合に役立つが、すでに時期遅しだというのが政府の見解だ。そこで持ち上がったのが追跡アプリである。感染者がどこに行ったのかがわかるアプリで、その感染者に接触した人には外出禁止の警告が出るという仕組みだという。ただし、このアプリはプライバシーの問題だけでなく、技術的な問題などを抱えており、実施されるには時間がかかりそうだ。

オランダ集中治療室連盟(NVIC)のホマー会長(Gommer)によれば、ICUに入院する患者数が横ばいになっている。これは喜ばしいニュースである一方、現在の規制を緩めたらこの数が急増することも意味する。もし6月1日に規制を緩和することになると、その後10,000のICU床が必要になる可能性もある。こうなれば医療崩壊だとホマー氏。現在オランダでは最大2400床を確保しているが、これ以上になると、ICU専門従事者の数も足りないばかりでなく、ICUに入れる患者の選択が行わざる得なくなる。専門家は「暗いシナリオ」に関しても今のうちに真剣に話し合うべきだとしている。

8日の首相記者会見「コロナ蔓延防止対策の続行」と「追跡アプリ導入の可能性」
昨日8日夜開催された政府記者会見で、ルッテ首相は「通常の生活に戻るには長期戦となる」とし「規制の緩和は、国民全員がコロナウィルス対策を遵守し続けない限り行われない。」と述べた。4月7日現在のコロナウィルス登録感染者数は前日より777人多い19580人。入院患者累計は7427人。死亡者は前日より234人増の2101人となっている。ICU(集中治療室)入院患者数増加は安定しているが、予断は許せない状況だ。規制終了日は現時点では4月28日となっているが、状況によってはこれが延長されると、首相は延長の可能性があることを示唆した。さらに規制緩和は一斉に行わず少しずつ進めるという意向だ。ウイルスの発生後、オランダの経済も大きな打撃を受けたが、首相は、経済のための措置を緩和すべきであるという見解を拒否した。今厳重な措置をとらない限り、国民の健康と経済の両方が打撃を受けるという最悪の結果になると述べ、外出を避けること、家にいることが重要であると強調した。

このあと国民健康省のデ・ヨング大臣は、政府がコロナウィルス感染拡大を防ぐための携帯アプリを開発中だと発表した。感染者が出た場所をアプリが告げ、その場所を避けるよう仕向けるのが目的だ。これは自分の居場所を知らせる位置情報機能を使用するもの。このほか、利用者のコロナ感染の症状を診察するアプリも開発中だという。ただしこの(韓国で使われたような追跡機能をもつ)アプリは、プライバシーの侵害問題につながる可能性が高い。これについて大臣は、「プライバシーが十分保障されるという条件でのみ、このアプリの開発と利用を行う」とし、携帯へのこのアプリ装着の強制はまだ考慮していないと述べている。

新型コロナウイルス関連情報(ドイツによる水際措置及びオランダにおける集中治療室(ICU)病床数)
1 ドイツによる水際措置
 4月6日(月)、ドイツ連邦政府は、現在、イタリア、スペイン、オーストリア、フランス、ルクセンブルク、デンマーク、スイスからの航空機、船舶、陸路によるドイツへの入国規制(緊急渡航する理由のある渡航者と通勤者以外については、国境通過の必要性についての証拠提示が求められます。)の対象をオランダとベルギーにまで拡大するかという点については、適用しない、と決定しました。一方で、オランダを含め、リスク地域からの入国者には、14日間の隔離等の検疫強化が行われることになりました。ドイツへの渡航あるいはドイツ経由の帰国をご検討の方は、在ドイツ日本国大使館のホームページを通じて最新情報をご確認されることをおすすめいたします。
https://www.de.emb-japan.go.jp/itpr_ja/konsular_coronavirus200313-1.html#04bouekitaisakuD

2 オランダにおける集中治療室(ICU)病床数
 オランダ政府は、4月5日(日)までに、集中治療室における病床数を2,400床(※新型コロナウイルス感染患者用:1,900床、それ以外の患者用:500床)まで増床する予定としておりました。本日6日(月)のオランダ放送協会の報道(電子版)によれば、4月6日(月)現在、集中治療室で治療を受ける新型コロナウイルス感染患者数は、1,409名とされています。さらに、オランダ政府は、人工呼吸器等装置の調達努力等を通じ、集中治療室における更なる病床数拡大の可能性を模索しているとしています。

コロナ危機により大打撃のオランダの園芸産業、政府の救済を求める
オランダの農業製品輸出高は米国に次ぎ世界2位という高いレベルを誇っているが、今回のコロナ危機により主要国への輸出が不可能となり打撃を被っている。中でも花や植物を扱う園芸業は輸出が売上のほとんどを占めているため、一番の輸出先であるフランス、イギリス、ドイツがコロナ危機で門戸を閉ざしたことは大きな痛手だ。売れなくなった花や植物はそのまま廃棄処分されている。オランダの園芸製品の輸出高は2019年には62億ユーロと史上最高を記録、世界の花卉市場の35%を牛耳っていた。業界で働く人は15万人いる。

温室栽培業者は廃棄処分を少しでも減らすために、温室の温度を下げ植物の生育を遅くさせるなどの工夫をしている。ただし、この方法も収穫を数週間遅らせるだけで、コロナ危機の収束まで持つかどうかはわからない。チューリップやバラなど春の花が輸出できず、売上は通年の半分以下。業者のひとりは、先週300万本の花を廃棄し肥料にしたと語っている。

オランダの園芸業は大規模経営がほとんどで、巨大な施設設備だけでなく、従業員数も100人近いところも多い。一週間に50万ユーロの売上を失うという業者も少なくない。資金が底をついたら銀行の融資を頼むしかないというが、イギリスやドイツがいつ輸入を再開できるのかが見えないため不安は大きい。1週間で2億ユーロ近くなる一年で一番の売上を記録する母の日も、今年はいったいどうなるのかと業者の不安は隠せない。

政府はコロナウィルス蔓延で閉鎖を余儀なくされた業種に対し資金援助を行っているが、園芸業は通常春が一番の稼ぎ時であるため、今回の救済計画には含まれていない。政府は今週中に救済措置を見直すと述べている。

オランダの107歳の女性、コロナから生還。世界最年長か。

コロナウィルス免疫に関するRIVMの見解

8日の首相記者会見「コロナ蔓延防止対策の続行」と「追跡アプリ導入の可能性」

オランダの農家「危機」を「機会」に。輸出や飲食店への販売減少を直販でカバー

新型コロナウイルス関連情報(ドイツによる水際措置及びオランダにおける集中治療室(ICU)病床数)

コロナ危機により大打撃のオランダの園芸産業、政府の救済を求める

99%のオランダ人、1.5メートル規則を遵守。若者の半数が孤独感。

オランダ、コロナ基金設立提案。実質的なEU諸国への寄附

オランダ大手小売HEMA、経営困難に

オランダ政府のコロナ蔓延防止対策、4月28日まで延長