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オランダの大学への留学希望者、今年の入学を躊躇
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オランダに留学したいと思っている学生は多いが、実際に願書を出すかというと躊躇している学生が多い。教育国際化推進団体であるNUFICがEU域外の学生941名を対象に調査した結果である。財政的な問題や渡航禁止令などという不確定要素が多すぎるからである。調査の結果、オランダを留学先として検討していたこの941名の学生の4分の1は今年はオランダには来ないと決めている。さらに36%はまだ決められないと答えている。

EU外からの留学生はオランダにとって非常に重要だ。外国人学生に適用される高い授業料だけでなく、卒業後もオランダに残り優れた労働力となる。今年度には約25,000人のEU外からの学生がオランダにやってきた。もし留学生が減ることになると、学生数の増加を見込んで雇用していた教員も余剰となる。
大学側も留学生の動向を懸念し、入学時期を今年の9月入学を来年の4月に変更したり、オンライン授業にするなどの対処法を検討している。現在でも大学の授業の90%はオンラインで行われている。
しかしオランダへの留学を検討している学生の間でオンラインのみの授業でいいかという質問に対し、それでもいいという学生は10%に過ぎない。また21%の外国人学生は2022年まで入学延期を考えているという。


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留学生、オランダ人社会に溶け込むのが難しく
オランダに留学している学生にとってオランダ人社会に溶け込むのは難しいようだ。学生連盟のISOとLSVbそしてエラスムス大学学生ネットワークESNが留学生1000人に調査した結果である。
障壁には、住居が見つからないこと、オランダ語学習の授業を受けられないこと、オランダ人の学生との交流が難しいことなどが挙げられている。

住宅難のオランダで住居を見つけるのは学生にとって至難の業だ。72%の留学生は、住居探しに(大学が)もっと力を注ぐべきだとしている。44%の学生は住居探しに多大なストレスを感じたと答えている。

オランダで学んでもオランダに残る学生が少ない。オランダ人社会に溶け込むのが難しいというのが理由のひとつである。週刊誌エルセフィールの調査によると、2017年にオランダで修士号を獲得した留学生の61%は半年以内のオランダを離れている。

留学生はオランダ人学生との交流がないことに疎外感を感じている。オランダ人学生は英語が堪能なので言葉の壁だけではない。文化の壁が立ちはだかっていると考える学生も多い。授業は英語で行われているものの、オランダ語は社会に接するために欠かせない。しかし大学でオランダ語が学べる機会が少ない、と37%の留学生は不満を表している。言語のみならず文化の違いについても学校側は講義を設けるべきだとESN。

オランダへの留学生数は急増している。大学が留学生の受け入れに助成金を支給されるというのが増加の背景にある。2006年には3万人だったのが2018年には9万人に増加している。この数は全学生の11.5%に当たる。OECDの調査によればオランダは留学先のトップに位置する。


留学生、オランダでの部屋探し、悪徳家主の餌食になりやすく
高騰する不動産価格に翻弄されるオランダで、留学生の部屋居探しは困難な上、理不尽な価格や条件を押し付けられることが多い。これを見るに見かねてオランダ学生連盟(Landelijke Studeten Vakbond)が抵抗を試みている。「とにかく学生用のアパートや部屋が足りない。留学生はいいカモになっている。」と同組合。

オランダで学ぶ留学生の数は4年間で倍増した。2013年には58,000人だったのが昨年には122,000人へと増加している。大半は留学前に自国でオランダでの拠点を探すが、ほとんどが不可能であることを思い知る。留学生はオランダでの賃貸条件や法律を知らないため、狭い部屋を法外な価格で、かつ不当な条件で借りざる得なくなる。

学生連盟は、大学に対し「留学生を受け入れるなら同時に住居も用意すべきだ。」とし、「住居を用意できないなら国際化はやめるべき」と抗議している。これに対し大学側も「留学生に対しても住居を確保しようとする試みは絶えず行っている。ただ、学生用アパートはすでに限界に達しているので、アムステルダム大学やユトレヒト大学のようにホリデーパークを利用したり、フローニンゲン大学ではテントキャンプを設置するなどあらゆる可能性を探っている。」と反論している。学生用の住宅不足はオランダ人学生の間でも問題化しているが、留学生は情報も少なく保護団体もないため、悪徳家主の餌食になりやすい。

教育省大臣、留学生数の規制に反対。オランダの大学のさらなる国際化をめざす
5月にオランダの大学連盟はオランダで教育を受ける留学生数をこれ以上増やさないという意向を表明したが、教育省のエンゲルスホーフェン大臣はこれに反対、大学と職業専門学校の国際化をさらに促進すべきだと発表した。オランダではここ数年、大学とくに修士課程で授業を英語のみにするところが増えており、これにより留学生の数が急増している。オランダ人は英語は流暢ではあるが、母国語ではないため学生が実際の学力を発揮できなかったり、教える側も満足の行く授業を行えないという不満が出ている。

これに対し大臣は、大学や高等教育の国際化はオランダの科学や経済の発展に役立ち、学生にとってもプラスとなると、教育の英語化推進を支持している。とくに学生は外国人と協調することで将来的に世界での労働市場で活躍できると国際化の重要性を語っている。ただし授業を英語化するにあたり、教育の質が落ちないこととオランダ人学生にとって不利にならないことを条件としている。さらに、英語で教育を受けることにより卒業後の就職にプラスであることも必要条件だ。また最近では中国人留学生だけのクラスもできるくらい学生が偏っているが、これも避けるなど、留学生とオランダ人学生を混ぜることも条件となる。


ただこの大臣の「国際化願望」には財源が伴わないという批判もある。都市間学生連盟(ISO)によれば、大学への予算は留学生数の増大と比例していないと、財政の難しさを批判している。「教育省は国際化を叫んでいるが、これに対する助成金は出していない。」という。
大学や高等専門学校の多くは教育の英語化が学生の将来に役立つとして大臣の考えに賛成している。学生はオランダ国内だけでなく世界の労働市場で職を求めるべきだと主張している。

オランダ、留学生急増
オランダを留学先に選ぶ学生が増えている。今年は約11万2千人の外国人がオランダの大学で学んでいる。最も多いのがドイツと中国からの留学生だが、他国からやってくる学生も増加している。ドイツと中国に次いで多いのがイタリアとベルギー。オランダが人気なのは、英語での授業が増えていることと授業料が比較的安いことが背景にある。

留学生が選ぶのは大学で学士と修士課程が人気。これまで外国人学生の割合が最も高かったのはマーストリヒト大学だが、今ではロッテルダム大学とフローニンゲン大学に押されている。これに対し大学とほぼ同じ資格をとれる高等専門学校(HBO)を選ぶ留学生は減っている。

出身国によって専攻の選択が異なるのも興味深い。イタリア、ギリシアそしてフランスなどの南欧の学生はアート系を専攻する傾向が強い。これに対しアメリカやイギリスの学生はリベラルアーツから科学まで広範囲に点在する。ところが、EU外のインドやインドネシアの学生は往々にして技術系の大学に留学している。これらのアジアの学生は卒業後もオランダに残り就職することが多い。とくに技術系はオランダの企業からの需要が高く、オランダの経済に16億ユーロの貢献をしていると試算されている。