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オランダ政府、KLM航空に34億ユーロの支援
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オランダ政府は26日、コロナ危機で多大な損失を被っているKLMオランダ航空に34億ユーロ(約4000億円)の援助措置を行うと発表した。このうち10億ユーロは政府からの融資、そして24億ユーロは銀行保証という形だ。今回の救済措置を発表したフークストラ財務大臣は、KLMが被った損失は当初の予測をはるかに上回っていること、そしてKLMはオランダ経済にとって非常に重要な企業であることを強調した。

政府は、今回の救済措置に関連し、平均給与の3倍以上の給与を受け取る従業員に対し20%返上を求めている。またこれより給与が低い従業員へも給与の一部返上が要求されている。さらに、救済期間中は配当金の支払いはない。

さらにKLMは今後「持続可能な環境」に積極的に取り組むよう求められた。2030年までに乗客ひとりあたりのCO2の排出量を2005年の半分にしなければならない。

KLMの連合企業であるエールフランス航空は、フランス政府から約70億ユーロの支援を受けることが決定している。


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KLM、キャンセル便に関し今後は返金のオプションも
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KLMは、便が運行停止したためにキャンセルをせざる得なくなったチケットの料金を払い戻すというオプションを設けることになった。これまでは、キャンセルしたフライトについてはバウチャー(別のフライトに変更できる利用券)を提供するのみだった。しかしこのバウチャー発行に対する批判が多かったのと、インフラ・水道省の政策変更で、今回の方針転換となった。

これまでKLMは、キャンセル便に関してはバウチャーを発行。このバウチャーは12ヶ月間使用しなかった場合には換金できるというものだった。しかし、これは欧州法に違反していた。欧州の消費者保護規定では、顧客は航空会社の意向でフライトがキャンセルされた場合には返金を要求する権利がある、となっている。バウチャーの発行も許可されているが、顧客がバウチャーか返金かを選べるというものだ。

今後、KLMの顧客はバウチャーか返金を選択できる。ただし、過去の方針によりバウチャーを受け取った顧客はこれを返金に変更できない。また、すでにキャンセル便によりバウチャーを受け取る予定だった人も、これを返金に変更できない。

オランダ政府はEU法に反し顧客に選択の自由を与えないという立場をとってきた。同じような政策をとる他国とともに、この欧州法を無視するという可能性を探っていた。もし返金ということになると、企業の流動性リスクに直面する(倒産の可能性)ことになるというのがその背景にある。KLMエアフランスが3月1日からキャンセルしたフライトは30億ユーロに及ぶ。

KLMでも機内でのマスク着用義務化
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KLMオランダ航空は、コロナウィルス感染防止のため機内でのマスク着用を義務化した。この措置は現時点で8月31日まで有効である。KLMのプレスリリースによれば、5月4日から段階的に欧州内の運行を再開している。マスク着用は欧州航路では5月4日から、その他の航空路については5月11日から義務付けられる。マスクは乗客が自分で用意する。
再開したフライトは、バルセロナ、マドリード、ローマ、ミラノ、ブダペスト、プラハ、ワルシャワ、ヘルシンキとアムステルダム間。コロナ危機以前の約15%となっている。

マスク着用については、オランダ公衆衛生環境研究所(RIVM)はいまだに推薦していない。人との距離を十分にとればマスク着用は不要だというのがRIVMの見解だ。しかし、隣国のベルギーやドイツを含む欧州諸国ではマスク着用は必須となっており、オランダは数少ないマスク着用不要国となっている。オランダを通過する高速列車タリスやユーロスターでもマスク着用は義務化されている。(ポートフォリオ5月3日記事)

先週、KLMは20億から40億ユーロの政府支援を受けられることになったと発表している。ただ支援がどのような形で行われるのかはまだ不明である。

KLMエアフランス、90%のフライトを停止
エアフランス・KLMはコロナウィルス感染の拡大により、今後2ヶ月の間フライト数を90%まで減らすと発表した。この計画でKLMのボーイング747機体はすべて地上待機となる。KLMの提携会社であるエアフランスはエアバスA380機が飛行停止となる。

コロナウィルス拡大での損失をできるだけ減らし、2億ユーロのコスト削減を行うため、飛行停止のほかいくつかの措置をとるという。ただ単純なコスト削減計画ではここ数日で被った損失を補うことはできないと同社は懸念している。

先週KLMは2000人を解雇すると発表した。このほか同社は、労働時間縮小措置を申請する予定だ。これにより労働時間が減らされた従業員は失業保険を受け取れるという。KLM,エアフランスの他、ルフトハンザ航空などの大手もフライトを削減することになっている。

KLM ミラノとベニス便を休航
KLMオランダ航空は月曜日からミラノおよびベニス便を休航することに決定したい。北イタリアでのコロナウィルス感染者の増大によるイタリア政府の対策によるものだ。今のところ、北イタリアでもトリノ、ジェノアそしてボローニャ便は運航している。「ウィルス感染の状況に応じて運航スケジュールは変わる。」とKLMスポークスマンは述べている。

オランダでの公式感染者数は8日時点で264名(国立公共衛生環境研究所RIVM). 同研究所では少しでも具合が悪い場合には自宅待機するよう推奨している。このため在宅勤務も増加。また感染者の多いブラバント州の学校では欠席する児童が増えている。(画像はオランダでの感染状況)

コロナウィルスで、KLMエアフランス多大な損失
コロナウィルスによる運行中止でエアフランスKLM連合は1億5000万から2億ユーロ(180億円から240億円)の損失を被っている。同航空会社が試算したもので、年間報告書の備考に記された。

昨年暮れに中国の武漢で発生した新型肺炎のため、エアフランス、KLMともに中国への運行を停止している。今後も数週間は中国便は予定されていない。

エアフランスKLM連合の2019年の売上は272億ユーロ。これは2018年と比較し3.7%の増加となっていた。しかしながら純利益は2018年の4億2000万ユーロから2億9000万ユーロへと減少していた。この減益には燃料費の高騰と貨物運輸部門の不振が影響している。さらに人事の計画変更などでもコストが増加していた。今回のコロナウィルスによる中国への運行停止での売上減少は同社にとって痛手だが、WHOとオランダ外務省の勧告にしたがったもの。勧告は必要がない限り中国への渡航を禁止するとともに、武漢と湖北省への全面渡航禁止をするものである。他の欧州航空会社の多くが中国への運行を停止している。