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オランダ、都市部での家賃下がる
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アムステルダムやハーグそしてアイントホーフェンなどの都市部での家賃が下降している。長期間オランダでは家賃が上昇し続けてきたが、この第2四半期にはじめての下降である。ただし全国平均では2.4%の上昇。ユトレヒトではなんと5%も上がっている。(前年同時期との比較)

調査をした賃貸業者パラリウス(Pararius)によれば、外国人駐在者たちがコロナ危機で一時的に自国に帰ったことが起因しているという。「駐在員がいなくなり、部屋が空くことになったが、空き部屋を保持するより低家賃でも貸したほうがいい」というオーナーが多いらしい。アムステルダムで賃貸を行っている不動産業者によれば、これまで顧客の80%が駐在員だったが今では半数以下だという。たとえばアムステルダムのバウテンフェルダートの120平米のマンションは、これまで月額2400ユーロという家賃だったがこれを1850ユーロに値下げしている。ただし家賃の低下は新規に契約する場合であり、年間で契約している場合には家賃の変更はない。

アムステルダムでは駐在員の減少のほか、これまでエアビーアンドビーなどの民泊に貸していたのが旅行者がいなくなり、空き部屋が増えている。これも家賃の低下の一因となっている。


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オランダの不動産市場の高騰もピークを超え、家賃の上昇率も減少気味
賃貸住宅の家賃はいまだに上昇中だ。しかし今年第1四半期の全国の上昇率平均は4.9%と低くなった。賃貸住宅ブローカーであるパラリウス(Pararius)が発表した数字である。
上昇率は下がったといっても、ハーレム、アルメール、そしてスキーダムといった大都市周辺では他の地域と比較し大幅に上昇している。アルメールでは15%も上昇し、1平米あたりの平均賃貸料金は13.78ユーロとなった。ハーレムでは同19ユーロ、アムステルダムでは23ユーロである。アムステルダムでは上昇率は低く3.6%だった。

州ごとで見ると上昇率が高いのはゼーランドとフレーフォランド州。フリースランド州では家賃自体が下がっている。オランダの不動産価格は高騰の一方だったが、パラリウス社によれば冷却期にはいってきているという。これにともない家賃も上昇が抑えられ気味。

オランダ全土での平均家賃1000ユーロを超える
オランダ不動産協会(NVM)が7日発表した統計によれば、2017年平均家賃が月額1000ユーロを超えたという。これは2016年に比較して2.5%の上昇である。オランダの賃貸には2通りあり、ひとつは助成金による比較的安い家賃で入居できるもの(Sociale Huurwoning)、もうひとつはフリーセクターと呼ばれる家賃を自由に決められるもの。上記数値はフリーセクターの家賃である。助成金による安い賃貸住宅の入居には収入の上限規制や長いウェイティングリストがあるため、日本から駐在や移住でオランダに住む人の入居はほぼ不可能だと考えていい。フリーセクターの住居は入居は簡単だが家賃は高い。オランダの賃貸住宅の62%はこのフリーセクターのものである。

家賃が高いのはアムステルダムがある北オランダ州。平均で1平米あたり15.22ユーロとなっている。ユトレヒト州と南オランダ州の平均は同10.78ユーロ。家賃が一番低いのはフリースランド州で8.09ユーロである。
家賃の上昇が一番大幅だったのがアルメール(18.6%)、アイントホーフェン(11%)そしてロッテルダム(10.2%)で、ロッテルダムの平均家賃は1平米あたり12.25ユーロ。

オランダでは中間クラスの賃貸住宅(710−1000ユーロ)が慢性的に不足している。昨年には15000戸の新規賃貸住宅が建設されたがそれでも需要に間に合わない状況だ。とくに需要が高いアムステルダムでは新規建設の住宅のうち中間クラスのものは7%にすぎない。
ただ国内外の投資家による賃貸住宅への投資は増えている。個人投資家によるものだけでなく、不動産ファンドや保険会社による投資である。

アーティストに魅力なロッテルダム、家賃高騰で危機に
家賃も比較的安くカルチャーも独自なロッテルダムは、いろいろな分野のアーティストを引き寄せてきた。しかしオランダ経済好調の波に乗ったロッテルダムでは家賃も高騰している。市の文化担当議員であるランゲンブルグ(民主66党)は、アートや文化を職業とする市民約3500人(このうちビジュアルアーティストは1350人)が、活動するのに必要なスペースを確保できるよう早急な対策が必要だと述べている。市が運営するアトリエやスタジオは限られているため、今後5年間に大幅に増やす必要がある。さらに、市所有でない場所も絵画、演劇、映画、写真、デザイン、建築などを職業とする人々に開放するよう努める計画だ。

ロッテルダムはその独自の文化で人気が上昇中。住宅のみならずアトリエやスタジオスペースは需要が供給を大幅に上回るようになり家賃は高騰している。
これまでアーティストは、古い学校や工場などを改造した建物に集まることが多かった。しかし、学校や工場も住宅用にと不動産ディベロッパーの格好の餌食となり、アーティストは追い出されるはめに。アーティストは往々にして収入は少ないのにスペースが必要だ。これではアトリエを探すのがほぼ不可能になり、収入が減るという悪循環に陥る。

ロッテルダム・アーティスト・スタジオ基金(SKAR)はこの状況を打破するため、24塔の建物に291戸のアトリエを用意し491人のアーティストに貸している。賃料は1平米50ユーロ(年間)と低く抑えている。ハーグでも同じような動きがあり、クリエーターやハイテクのスタートアップのために、4000平米のスペースを確保、2018年にオープンの予定だ。

若い家族、オランダの大都市から脱出。高騰する家賃。
子どもがまだ小さい家庭は、オランダの大都市から近隣の都市へ引っ越す傾向にある。とくに家賃が高騰しているアムステルダムでは顕著だ。オランダ中央統計局(CBS)の調査によれば、アムステルダムから出ていく人の数は入ってくる人の数を上回ることが判明した。この差は40万人に上る。

ユトレヒト、ロッテルダムそしてハーグでも小さな子どもがいる若い家族が都市部から脱出する傾向が見られる。たいていの若い家庭は賃貸住宅に住んでおり、移動が簡単というのもその一因。不動産価格が異常に高騰しているアムステルダムの住宅の平均価格はなんと37万ユーロ(約4800万円)というから、若い家族にはローンを組んで住宅を購入するのはもう不可能に近くなっている。オランダ全土での住宅価格平均は26万ユーロ(約3300万円)なので、大都市に住むという選択肢はなくなりつつある。

引越し先のほとんどは、近隣の市町村。これにより、都市部は都市圏を形成することになる。アムステルダムでいえば、ザーンダムやアールスメールなどで、市町村の境界線よりも住居環境のほうが大事だと考える人が多いようだ。

若い家族が出て行くのに対し、アムステルダムは外国人(外国企業の駐在者や学生)の数がますます増大している。過去5年間にアムステルダムの人口は年平均11,000人増えている。20−30代のインド人、アメリカ人そしてイギリス人がこのほとんどを占めている。このほかアムステルダムに移住する人の出身国トップ8カ国は西欧諸国だ。毎年6万人がアムステルダムに移住している。

オランダ投資目的住宅購入の増大、不動産価格と家賃の価格をさらに押し上げる
オランダの不動産価格、とくに都市部での価格の上昇が止まらない。その背景には歴史的に低い金利があると言われてきたが、投資目的での購入増加も一因である。ある投資者向け不動産会社の顧客の半分はローンなしの現金で購入しているという。この傾向は金融危機のころから始まっている。この不動産会社が話した最近の例では、アムステルダムの中心街からはずれたバーシェス地区(かつては低価格地区)にある55平米の部屋を外国人に月々1725ユーロ(20万円)で貸している。購入価格は31万ユーロ(約3800万円)だったのでざっと年額7.5%のリターンである。

オランダ中央銀行の調査でも、6件に1件はローンを組まずに住宅を購入している。アムステルダムに関してはこれが4件に1件とさらに高くなる。この傾向は個人の不動産投資市場の拡大と大きく関係している。とくにアムステルダムとマーストリヒトでは賃貸住宅の極端な不足が問題化しており、これに目をつけた投資家が賃貸用に不動産購入をしているのだ。昨今の低金利で銀行預金は全く魅力を失ったのも、この不動産投資熱に拍車をかけている。
しばらくは、不動産価格と賃貸価格の上昇は続くとみられる。