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新語や造語で振り返る2020年のオランダ
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コロナに始まりコロナに終わった2020年だったが、米国の総選挙やブラックライブスマター(BLM)などもオランダのニュース紙面を賑わした。この波乱に富んだ1年、いろいろな流行語や新語が生まれている。いくつかの言葉を拾い、今年2020年を振り返ってみた。

■1.5メートルハグ(Anderhalvemeterknuffel)
マスクを強要しなかったオランダは、代わりにソーシャルディスタンスを1.5メートル取るよう義務付けた。そしてこれまで握手やハグやキスが通常の挨拶だった習慣が突然消え失せることになった。日本人にとってはごく普通なことが、オランダ人にとっては容易なことではないようだ。

■ コロナ疲れ(Coronavermoeidheid)
ルッテ首相によるコロナ規制に関する記者会見は何度も行われ、そのたびに喜んだり失望したりした人が多い。12月に行われた記者会見で、首相は「この9ヶ月間、コロナ疲れは増加の一途をたどった。」と述べ、このコロナ禍による人々の不満や不安を表現した。75年前のナチスからの解放以来、オランダ人がこれほどの不自由を味わったことはなかった。

■ ディープフェイク(Deep Fake)
今年は「ディープ・フェイク」と言われる偽のビデオニュースが世間に出回り、これによって混乱する人々が引きも切らなかった。ディープフェイクとはディープラーニングとフェイクニュースを合わせた造語で、いかにも実際の政治家やインフルエンサーが演説をしているように見せたりする技術だ。コロナ陰謀説や米国大統領戦などもこのディープフェイクが大いに力を発揮した。これに似た技術で、服を着た人の写真やビデオを裸にするディープヌード(ディープポルノ)と呼ばれるアプリも流行した。これは名誉毀損だけでなく職を奪い人生を破滅に追いやることにもつながり、オランダでは問題となった。

■ 肘挨拶(Ellebooggroet)
1.5メートル文化は肘挨拶を生み出した。どうしても挨拶で接触がないことには耐えられないオランダ人は、腕を伸ばし肘と肘をくっつける肘挨拶が慣例となった。肘といえば、くしゃみをしたとき、咳をしたときも手ではなく肘で抑えろと政府は奨励。オランダ政府はマスク着用義務を拒否し続け、やっと12月1日から義務化され、この肘くしゃみ、肘咳という言葉も消え去ることになるだろう。(希望的観測)

■ ハムスター買い(Hamsteren)
最初のロックダウンが来たとき、オランダ人はこぞって買いだめを始めた。トイレットペーパーからパスタに至るまであっという間にスーパーの棚から消えるという事態に。在庫は十分あるのでハムスター買いをしないで、という政府の呼びかけでこの事態は収まったが、オランダ語では買いだめを「ハムスターする」と言う。

■ 隔離コンサート(Quarantaineconcert)
政府による支援金はスキポール空港(34億ユーロ)とホランドカジノ(3200万ユーロ)へと流れたが、政府からの助成金は少なくても最も住民を元気づけたのは音楽家だ。自宅のバルコニーから無料で演奏会を開いたり、養護施設や高齢者施設などの人々が隔離されている場所へ行き窓の外で演奏するなど、多くの人を励ました。

■ ホワイト(Wit)
人種差別につながる言葉は少なくともメディアからは消える傾向がある。今年アメリカで起きた黒人殺害事件を引き金にブラックライブスマター(BLM)運動が広がり、オランダでも伝統的な聖ニコラス祭りに付きものである黒人従者に関する議論が高まった。顔を黒く塗って真っ赤な口紅を塗りたくるこの従者は、奴隷制度を彷彿させるものとして否定されつつある。またこれまで、白(Wit)と呼ばれていた白人は、色なし(Blank)という表現に代わった。

■ ズーム(Zoom)
9ヶ月前にズームをしたことがあるという人はほとんどいなかったに違いない。今ではズームする、ズーム会議、ズーム飲み会、そしてズーム疲れ(Zoommoe)という言葉が一般的になった。