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アムステルダム証券取引所売買高、ブレグジットでロンドンを抜く
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11日付けFT紙によると、アムステルダム証券取引所)は、先月ヨーロッパ最大のロンドン証券取引所の売買高を超えた。これはブレグジットが大きく影響している。

アムステルダムの証券取引所ユーロネクスト・アムステルダムの1月の取引高は1日平均92億ユーロと昨年12月の4倍に膨れ上がった。これに対してこれまで欧州のハブであったロンドン証券取引所の売買は86億ユーロと急激に下降し、アムステルダムに抜かれた。これは、欧州に拠点を置く金融機関がロンドンでの取引を禁止されたことが要因となっている。EUはイギリスの証券取引所がEUと同じ監督ステータスを持っていないという理由から、これを認めていない。

これについて専門家は、「ロンドンがEU株式取引の中心であった時代は去った。しかしニッチ市場で盛り返す可能性はある。」と語っている。しかしイギリス政府は、このシフトをあまり気にしていないようで、「イギリスの財務省と中央銀行のほうがEUよりも機能が優れているので、イギリスの金融機関にとっては問題ない。」らしい。(画像はFTから)


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ブレグジットで外国企業のオランダ移転が増加
ブレグジットの影響でオランダに移転する企業がさらに増加している。2019年には78社がオランダに拠点を移している。2018年には43社だった。オランダ企業誘致局(NFIA)によれば、これまでに合計140社がブレグジットによる所々の問題を避けるためオランダにやってきたという。

現在NFIAは425社とオランダへの移転を討議しており、この数はさらに増える見込み。数字は実際に雇用や投資を行う企業のみを含んでいる。2019年にはディスカバリーといったメディア企業から塩野義製薬などの薬品企業が移転してきた。アジアの企業では進出先をはじめからイギリスを選ばずにオランダに決める企業が多いが、このほかにも欧州本部をイギリスからオランダに移す企業、イギリスの子会社をオランダに設立する企業など多岐にわたる。業種は様々だがIT、メディア、広告などのサービス業が多い。

「オランダは欧州の巨大市場が500km以内という理想的な立地条件と優れたインフラを備えている。」とNFIAは企業がオランダを選ぶ理由を説明している。さらにストの少なさといった安定性も好まれる理由らしい。

ブレグジットを理由に昨年オランダに設立された78社は推定1800人の雇用と6400万ユーロの投資を生んでいる。ブレグジットによるオランダ移転企業数は78社だが、それ以外の理由でオランダに新規に設立された外国企業も含むと合計397社となる。新規設立外国企業による雇用は14,000人、そして43億ユーロの投資が推定されている。イギリスは今年2月1日をもって正式に欧州連合(EU)を離脱している。(画像:NFIA)

ブレグジット、すでに英100社がオランダに移動
ブレグジットで将来が不確実であるイギリス企業がオランダに移動している。すでに100社がオランダに拠点を構え、さらに325社が今後の移動を考えていると、オランダ企業誘致局(NFIA)が発表した。

多くの英国企業が、10月に計画されているブレグジットが合意なき離脱となり欧州市場での活動が制限されることを恐れている。英企業は欧州での拠点設立によりブレグジットによる損失を最小限に止めようとしているが、移転先としてオランダが人気だとNFIA。その中でもアムステルダムを選ぶ企業が多く、次いでロッテルダムが移転先となっている。

すでに移転した企業には、金融サービスのブルームバーグやマーケットアクセス、そしてテレビ局のディスカバリー、TLCやアニマル・プラネットがある。金融やメディアがオランダを選んだ理由には「許可」問題がからんでいる。テレビ局は許可なしでは欧州内で放映ができないし、金融業もサービスを行うことができない。

ただオランダに移動した英企業はすべての部門を移したわけではなく、部分的な移動が多い。英国と欧州の両方の市場で活動するという形だ。オランダの流通インフラの良さ、従業員の英語力、そして優れたデジタルインフラが魅力的で、世界各国から優秀な人材を集めるのに適していると見ているようだ。すでに拠点を移した英62社合計で2500人の雇用を産み、3億1000万ユーロの投資が実現した。残りの40社の数字はまだ発表されていない。

ブレグジットを見据え、スコットランド・オランダを結ぶフェリー計画
スコットランドの船舶会社TECファラゴン社は、オランダの北部フローニンゲン州にあるエームスハーフェン(Eemshaven)とエディンバラ近郊のロサイス(Rosyth)を結ぶフェリー運航を開始する計画を発表した。10月に計画されているイギリスのEU脱退を見据えての計画である。この新航路を運行するフェリーは主として貨物を運ぶが、人や車の輸送も計画している。

オランダのエームスハーフェンではこの新航路計画のために、650万ユーロをかけて冷蔵貯蔵倉庫を建設している。さらに岸壁を100メートル延長する工事が行われている。

スコットランドは、スコッチウィスキーと木材などをドイツ、デンマークそしてイタリアへ輸出しているが、欧州への輸出窓口としてオランダのエームスハーフェンが流通そしてインフラ面で優れていると判断した。これまでスコットランドは欧州大陸の海からの入り口としてベルギーのブリュージュ近郊のゼーブルッヘ港を使っていたが、2010年にこれを停止している。その後はイギリス南部のドーバーからフランスのカレーというルートを利用していた。しかしブレグジットが近づくにつれこのルートは除外し、欧州の他の地区と直接つなぐルートを模索していた。

もし10月に英国の合意なきEU離脱が現実化すれば、ドーバー港の混乱は目に見えている。スコットランドはその前にドーバー港の代替港を求めていた。さらに、オランダ、ドイツ、そしてデンマークの観光客も眼中に入れ、今回のエームスハーフェン港の選択となった。エームスハーフェンとロサイスの航行時間は約20時間。現時点で航路開始は10月末が計画されている。

イギリスに貸与しているゴッホ作品、ブレグジット後に関税なしで戻せるのか?
ロンドンのテート美術館では「ゴッホとイギリス」と称したゴッホ展を開催している。イギリス滞在中にゴッホが受けたアーティストそしてゴッホから影響を受けたフランシス・ベーコンなどの作品とともにゴッホの作品を50以上展示している。作品はアムステルダムのゴッホ美術館、クレラー・ミュラー美術館、パリのオルセー美術館などから集められた名作ばかり。今ロンドンでは大人気の展覧会である。

先週展覧会が開催される直前にイギリスのジャーナリストであるジョン・スノウ氏はショッキングなニュースを公開した。EUの美術館はイギリスに(展覧会用に)貸与している作品がブレグジット後に戻ってくるのが困難だと心配。オランダ政府は作品をウィーン公約に基づいた外交郵便で送り、帰還の際にも外国郵便を使い関税や検査を免れようとしているというのだ。たしかに展覧会の終わる8月11日にはすでにブレグジットは終了しているはずで、イギリスはEU外となりこれまでと違いモノの動きには複雑な手続きや税金がかかる。

しかし、ロンドンのオランダ大使館によればこのスノウ氏の話は嘘だという。美術館が懸念しているというのは確かであるが、外交郵便云々の話は正しくない。EUの規則によれば第3国からEUに入ってくる名画(マスターピース)には輸入関税やVATはかからない。逆もしかりである。今、オランダやフランスから米国や日本へ展覧会のために送っている作品には課税対象にはなっていないのと同様、イギリスからゴッホ作品が戻ってきても税金は課せられないはずだというのだ。さらに3月11日にEUは
合意なきブレグジットの際の関税に関する書簡を発表した。この中で、イギリス内に明らかに一時的に滞在するモノに関してはEU内に戻ってくる際には税金はかからない旨が述べられている。ゴッホ作品に対し付加価値税がかかるとしたら巨額な金額になる。この書簡の発表でオランダの美術館は安堵している。

ブレグジットで、BMWのMINI生産オランダに移行か
あと数週間で英国のEU離脱のデッドラインがやってくる。もしこれが合意なしの離脱(ハード・ブレグジット)となる場合には、BMWが所有する車ブランドMINIの生産はオランダのボルンに移行する可能性があると、BMWの幹部が発表した。

元イギリスの車企業であったMINIはBMWの手中にあるが、すでに生産過程の一部はオランダのリンブルグ、ボルン(Born)にあるVDLネッドカーに移されている。これが将来的にすべてオランダに移るかもしれない。5日にジュネーブで行われた車のショーであるオートサロンにて、BMWのトップがイギリスのスカイニュースに対し「もしハード・ブレグジットとなった場合、現在オックスフォードのMINI生産部門は生産を中止しEUに移す。」と語っている。

一方、移転先候補であるVDLネッドカーにはうれしいニュースである。VDLネッドカーはこれまで三菱やボルボの車の生産を行っていたが、現在はミニの一部のみ。もし生産全部が移行されるなら会社にとってはチャンスである。すでに近隣の土地を購入済みというニュースもある。

イギリスで生産している自動車企業にとって、ブレグジットは悪夢である。欧州への輸出に関税がかかるし費用もかさむ。ホンダはすでに工場閉鎖を決定、日産も英国では新規工場は建設しないと発表している。ジャガー・ランドローバーはチェコに予備の生産拠点を開設、アストンマーチンもすでに緊急用の在庫を増やしている。ブレグジットでEUの弱体化が懸念される一方、英国の産業の斜陽化が現実味を帯びてきた。