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アムステルダム国立美術館で「奴隷制」についての展覧会
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今春アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)で奴隷制にかかわる作品や物の展覧会が開催される。オランダの植民地となったブラジル、スリナム、カリブ諸島、南アフリカそしてアジアに焦点を当てている。
オランダが植民地を支配していたのは250年にも及ぶ。植民地で巨額の富を築き世界で最も裕福な国となった17世紀のオランダ黄金時代、この裏にはオランダ人商人が大きく関わっていた奴隷売買がある。スリナムやブラジルはアフリカから連れられてきた人を北米に運ぶための中継地となっていた。
この展覧会は、実際に奴隷となった人々、奴隷を使った人々、反乱を起こした人々、そしてオランダに奴隷として連れてこられた人々のストーリーである。展示されるのは、世界各国の美術館や博物館から貸与されたオブジェクトや絵画そして書簡る。オランダで奴隷制が廃止されたのは158年前の1863年である。

黄金時代のオランダのアートを展示しているアムステルダム国立美術館にとって、この展覧会は勇気ある試みである。

なお、オランダ時間15時(日本時間23時)にclubhouseにて「オランダの美術館では何が起きている?」というテーマでEmiko Chujoさんにお話を伺う。その際にもこの展覧会について触れていただく予定。


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