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本日オランダ下院総選挙、37党が立候補
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本日3月17日はオランダの下院総選挙日。総選挙は4年に1回行われる。通常は1日限りの投票だが、今年はコロナ禍の影響で、70歳以上の高齢者に限り郵便投票や2日前からの事前投票が可能になった。投票権があるのはオランダ国籍保有者のみ。日本人など居住権のある外国人は下院選挙への投票権はないが、地方自治体の投票資格を持つ。

毎回多くの党が立候補しているが、今年は多くの新党が出現しこれまでで最高の37党。150議席のうち過半数が占める党が政権を担うのだが、過半数を占めるという党はないため、ほぼ毎回連立政権となっている。世論調査によれば、ルッテ首相の率いる自由民主党(VVD)がトップ、続いて反移民反イスラムを掲げる自由党(PVV)が2位、続いてキリスト教民主党(CDA), 中道左派の民主66党(D66)、左派緑の党(GL)、社会党(SP)、労働党(PvdA) となっている。
ルッテ首相は、自由党(PVV)そして同じく極右で最近支持を集めている民主フォーラム党(FvD)を含んだ連立はないと事前に発表している。

各党がコロナ対策、医療、差別、移民、貧困、安全、教育、環境、住宅などで独自の政策を掲げている。


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総選挙結果再び、注目のVOLT党とは?
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17日に行われた下院議会選挙での獲得議席数は、150議席中自由民主党がトップで35議席を獲得し、ルッテ首相の続投が決まった。次いでカーグ党首の率いる中道左派の民主66党(詳細は18日付記事)で23議席となっている。
今回の選挙で顕著だったのは左派の凋落で、社会党、労働党、緑の党がそれぞれ9、9, 8議席で合計26議席と、2017年から11議席失っている。おそらく左派支持者が民主66党へ流れたものと見られる。
また、ポピュリストと呼ばれる極右政党の伸びが著しい。4年前に第2党へと躍り出たポピュリスト最大の党である自由党(PVV)は勢いを落としたが、民主フォーラムと新党のJA21党が躍進し、3党合計で28議席と左派を上回った。

今回の選挙での新星はVOLT党だ。反ポピュリスト、親ヨーロッパを掲げる学生や若いプロフェッショナルからなる政党である。この政党はオランダだけでなく欧州各国そしてスイスやアルバニアにまで広がっている。2016年、最初にVOLT党を立ち上げたのはロンドンに住むイタリア人アンドレア・ヴェンゾン(29)で、今ではEUは加盟国27カ国すべてに設立され9000人の党員を抱える。ドイツやイタリアでは市議会レベルでの議員は選出されているが、今回のオランダのように国会レベルでの参政は初めて。

オランダのVOLT党の党首であるダッセン氏はアイントホーフェン近くの村で育ち、オーケストラに参加するなどの子供時代を過ごした。経営学を学んだ後、ABN-Amro銀行に就職しマネーロンダリング関連の仕事に関わっていた。当時欧州を席巻していた極右とポピュリズムを懸念、2018年にVOLT党に関する記事を読んだことがきっかけで、退職しオランダのVOLT党を立ち上げた。ソーシャルメディアを駆使したキャンペーンを行ったVOLTは、学生の多いデルフトやライデン市での投票を多く獲得している。

オランダ総選挙、82%と高い投票率。民主66党の躍進と左派の凋落
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17日行われた総選挙の結果が開票されている。投票率は前回2017年とほぼ同じレベルの82.6%だったが、18歳から24歳の若者の投票率が80%と前回の67%を大きく上回った。選挙民の関心が高かったのは、コロナ危機を反映して「医療」、続いて「規範」と「政府への信頼」だった。そのほか、経済、教育、環境、住宅などが続いた。いずれにせよこの投票率の高さは国民の政治への関心と関与の高さを表している。

昨夜行われた出口調査の結果、最も議席数を獲得したのはルッテ首相の率いる自由民主党(中道右派VVD)、続いて民主66党(中道左派D66)、自由党(極右派PVV), キリスト教民主党(右派CDA), 社会党(左派SP), 労働党(左派PvdA)、民主フォーラム(極右FvD), 緑の党(左派GL)。今年設立された新党もそれぞれ議席を獲得している。

今回最も躍進したのはシグリッド・カーグの率いる民主66党(D66)。中道左派のD66はこれまでの19議席から24議席へと大幅に得票を伸ばした。カーグ氏はUNや様々な国際機関での役職を経験した国際派。環境問題への取り組みに力を入れている。
中道右派、中道左派をいっしょにしてオランダではリベラルと呼ばれている党は議席を伸ばした。議席を失ったのは、社会党、労働党、緑の党の左派グループ。反対に極右の民主フォーラム(FvD)は2議席から8議席へと大きく得票を伸ばした。同じく極右で前回は第2党であったPVV党は20議席から17議席へと得票を失っている。

ルッテ首相は、前例に習いもっとも議席獲得数の多かった党の党首として、連立の組み合わせ調整にはいる。VVD(中道右派)、D66(中道左派)、CDA(中道右派)の組み合わせで定員150議席の半数を占める可能性が高いため、ここに落ち着くと見るむきが多いが、まだ未定である。2017年の連立交渉には8ヶ月かかっという前例があるため、交渉に時間がかかる可能性もある。与党野党を合わせ、おそらく17の党が国会議員となるが、これは1918年以来最も多い。 (画像は出口調査の結果。NOS)


オランダ、総選挙から5ヶ月いまだに政府なし
3月15日の総選挙から5ヶ月が過ぎたが、未だにオランダは連立政府が樹立していない。極右の自由党(PVV)を連立から排除すると、小党の組み合わせではなかなか過半数に満たないばかりか、各党の方針の違いから合意にいたらなかった。夏休み後の12日から再び交渉が始まった。中道右派と中道の政党である自由民主党(VVD)、キリスト教民主党(CDA)、民主66(D66)そしてキリスト教連盟(CU)が集まり再び話し合いとなった。

過半数に満たない小党でなるオランダでは連立交渉に時間を要するのは稀ではない。前回のルッテ内閣成立(2012年)には54日を要した。最長では1977年の208日という記録もある。今回は昨日日曜日で151日目だ。150議席のうち、76議席を確保するために様々な党の組み合わせが検討されたが、政治的な見解の違いでこれまで合意に至らなかった。交渉まとめ役も今回で3人目の、元ABNAmro銀行のトップであったザルム氏である。

今回の交渉で最も支障をきたすと見られるのが、リベラルのD66党と保守のキリスト教連盟(CU)との意見の相違だ。移民、難民、温暖化、安楽死などで両党は歩み寄れない。9月の第3火曜日に行われる2018年度の予算案発表までには組閣は無理だというのが一般的な見解だ。

オランダ総選挙結果、誤ったポピュリズムに「ノー」
15日に行われたオランダの総選挙の開票の結果、当初最大議席を獲得すると予想されていた極右の自由党(PVV)は、20議席にとどまり、オランダ国民のポピュリズムへの否定が体現される結果となった。
また今回の投票率は80年代以降最も高い78%と、国民の政治への関心の高さが示された。以下は16日朝、開票98%時点での議席獲得数である。(全議席150)

自由民主党(VVD)中道右派 33
自由党(PVV) 極右 20
キリスト教民主党 中道右派 19
民主66 中道左派 19
緑の党 左派 16
社会党 左派 16
労働党 左派 9

第一党はルッテ首相が率いる自由民主党。首相は「誤ったポピュリズムと戦う」と宣言し、欧州がポピュリズムの波に飲みこまれる前にオランダでせき止めると決意を表明していたが、その決意が実を結んだといえる。前政権で連立を組んでいた労働党は、緊縮財政の先鋒と見られ嫌われ、その票は民主66や緑の党そして社会党へ流れた。今回の選挙で大きく躍進したのは、中道左派の民主66党と緑の党で、それぞれ12議席から19議席、4議席から14議席へと議席を増やした。30歳のクラーフェル氏が率いる緑の党は年齢が高い政治家による古い政治を嫌う若者の票を多く獲得している。反移民、反EU, 反イスラムを掲げる自由党への投票は当初の予測より大きく下回ったものの、第2位の地位を獲得している。

今回の総選挙の結果で、オランダにおけるポピュリズムが否定され、EU離脱という選択もなくなったことで、欧州各国に安堵が広がっている。

3月15日のオランダ総選挙を前に、党首による第一回討論会「移民、年金、医療」
3月15日に行わられる総選挙前の党首による第一回討論会が、アムステルダムのカレ劇場で5日夜行われた。討論の焦点となったのは、移民、年金、医療費である。最も注目を集めている極右の自由党(PVV)のウィルダース氏は招待を断り参加しなかった。

ルッテ首相(VVD党)は、オランダ文化と医療介護問題で野党と衝突する場面が見られた。同じく中道右派のキリスト教民主党(CDA)も、緑の党、社会党、そして労働党との間で、移民に関するオランダのアイデンティティという問題そして医療費について激しい討論が繰り広げられた。左派の党は、医療費の自己負担金を撤廃させると主張したが、CDA党はこれを否定した。

歴史的に移民からなる多民族国家オランダの独自の文化とは?という問題でも労働党とキリスト教民主党(CDA)の討論は過熱した。異質な文化(イスラム教)を受け入れるべきだという労働党や他の野党に対し、CDAとルッテ首相(VVD)は、オランダ特有の文化が失われていくと警戒心を露呈している。

年金受給年齢では、社会党、50プラス党、労働党は、今後予定されている67歳からこれまでの65歳へと戻すべきだと主張。ルッテ首相によれば、これが実現されるには数十億ユーロの増税が必要になると対応した。緑の党は、この年金受給年齢引き下げにかかる120億ユーロは、初等教育予算を上回るもの。次世代の教育費を削ってまで年金年齢を引き下げるべきではないと主張した。