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ルッテ首相、不信任決議をなんとか切り抜けるが、傷は深く
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昨日から本日明け方まで続いたルッテ首相に対する不信任動議で、元首相はなんとか過半数の反対票78票で動議は却下されたが、今後の内閣組閣で困難に立ち向かう可能性は高い。この不信任決議は、ルッテ首相がライバルのキリスト教民主党のオムジヒト氏を外そうという文書を作成した疑いが浮上したことが引き金となった。ルッテ氏の所属する自由民主党(VVD)は3月17日の選挙で第一党となり、首相の続投がほぼ確実となっていたが、今回の不信任決議事件でこれも危うくなっている。

オプジヒト議員(CDA)は託児補助金スキャンダルを暴き、一躍表舞台に立った議員。この議員を排除しようという企みが明るみに出たことが、今回の不信任投票となったもの。

ルッテ首相は投票のあと「自分は首相を続投するが、失った信頼を取り戻すことを努力する。」と語っている。
ルッテ首相は連立政権のまとめ役を続行するものの、今回のスキャンダルで連立交渉は困難となることが予測される。同氏はオランダ首相としての最長就任記録を続ける「政治的サバイバー」と言われている。


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 ルッテ首相の自転車のブランドは?
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先週金曜日、マーク・ルッテ首相が辞任を国王に報告するため、国会から国王の住居であるハウステンボス(ハーグ)に向かった際に使用したのは公用車ではなく愛用の自転車だった。通勤には自転車を使っているものの、国王への謁見にも自転車というのが国外のメディアの目を引いていた。さて、この自転車のブランドは?

マーク・ルッテ暫定内閣首相の自転車のブランドは、オランダ国産の「Koga」。先週の金曜日の内閣解散報道以来、この自転車メーカーへの問い合わせが引きも切らないという。ルッテ首相の愛用車は「Koga F3」で、3年前に購入したもの。ヘーレンフェーンに本社を置く「Koga」の広報部によれば、ここ数日F3の売上が急増しており、「ルッテ効果」が見られるという。F3は電気自転車ではなく普通のシティバイク。Koga社が首相にプレゼントしたと思っている人も多いらしいが、実際にはハーグのディーラーで1300ユーロで購入したという。「トランプ大統領は150万ドルのビースト車で移動したが、ルッテ首相は1300ユーロの自転車。これほどオランダらしいものはない。」と同社。


オランダなど「倹約」4カ国がEU復興資金に同意。ルッテ首相も交渉結果に満足
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17日に開催された、コロナ後の欧州経済復興目的の支援策に対する欧州27カ国の首脳会談は、火曜日朝最終合意に達した。オランダなどの「倹約国」4カ国が最終的にEUに対する支援金額の値下げ交渉に成功したもの。補助金額に異論を唱えていたオランダとオーストリア、デンマーク、スウェーデンの4カ国が補助金部分を3900億ユーロとする案に満足し、妥協案を受け入れることとなった。今回の交渉同意についてオランダのルッテ首相は「オランダの利益が保護された包括的で良いパッケージ」だと、これまでのオランダに対する各国の批判や反対を押し切ってきた成果を喜んだ。フランスのマクロン大統領はドイツのメルケル首相との共同記者会見にて、「欧州各国が協力することを示す歴史的な同意」だと今回の同意を評した。

今回の欧州サミットでは、コロナ危機で大きな経済的な被害を被ったスペインやイタリアなどを支援する復興資金7500億ユーロの分配を巡り、フランス・ドイツ等と「倹約」4カ国が対立してきた。当初のEU案は仏独の提案をもとに、内訳を5000億ユーロを返済不要の補助金、2500億ユーロを返済が必要な融資とした。だが財政規律を重視する「倹約4カ国」は自国の負担増をが公平性に欠けると反対。返済なしでは倫理欠如を起こすとして融資を主体にすべきだと主張した。 オランダは、交渉を主導したフランスとドイツに大きな圧力をかけ、各国から「嫌な国」「冷酷な国」として批判を浴びてきたが、これに耐え最終的に合意に達することができた。
最終的には総額7500億ユーロの復興支援金のうちち返済が不要な補助金が3900億ユーロ、残り3600億ユーロが低利融資となる。

ズワルトピート(黒人従者)に関するルッテ首相の見解一転?
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オランダにおける反人種差別デモに関する国会討論で、ルッテ首相はオランダの伝統行事であるシンタクラース祭に欠かせない黒人従者ズワルトピートに関する意見を発表した。オランダの子どもたちにとってクリスマス以上に重要な行事「シンタクラース祭」。スペインから船に乗ってやってくるシンタクラース(聖ニコラス)は白い馬に乗り数人の黒人従者ズワルトピート(黒いピート)を従えている。子どもたちはこのお祭りの期間、毎日プレゼントを貰える。

2013年、国連がこのズワルトピートを人種差別だと批判するという事態が起き、オランダ国内で反ズワルトピート派と伝統を守りたい保持派が対立した。一部の市町村では黒いピートを廃止し、顔を茶色に塗るなどの措置を取ってきた。これまでルッテ首相は伝統を守るという立場を通していたが、今回の米国の警官による黒人殺人事件とオランダにおける反人種差別デモに直面し、ズワルトピートがどれだけ人種差別を煽っているかを痛感したと延べた。シンタクラース祭での黒人が辛い思いをすることをなくしたい。と首相はこれまでの立場を一転した。「数年後には顔を黒く塗ったピートは消え去るだろう。」と首相。ただし政府によるズワルトピートの廃絶や規制は考えていない。

オランダでの(構造的)人種差別は根が深く、税務署などの政府機関、労働市場、そして住宅市場でも公然と行われている。首相はこの差別の撤廃に乗り出すようだ。

ルッテ首相、人種差別反対デモについて言及
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3日夜の渡航規制に関する記者会見で、ルッテ首相はオランダの人種差別反対デモについて言及した。米国のミネアポリスで起きた警官による黒人殺人事件を受け、オランダでもアムステルダム、ハーグ、フローニンゲン、ロッテルダムなどで人種差別反対のデモが行われた。アムステルダムではソーシャルディスタンスを無視した大規模なデモが行われ、市長の責任が問われている。ハーグやフローニンゲンでは1.5メートル規制を守った整然としたデモが行われた。ロッテルダムで昨日行われたデモでは、数千人が集まりエラスムス橋をびっしり埋めるほどの状態となり、市長の解散命令で終了した。記者会見ではこの件について首相が問われた。「デモをする権利は民主主義の基本」であるとし「デモの趣旨は1000%理解できる」とデモに対しては肯定的だったが、まずは1.5メートル規制が優先されるべきで、アムステルダムのデモは無責任であるとの見解を述べた。

さらに首相はオランダの人種差別について「構造的問題」であると述べ、「オランダでも人々は出身国や人種により判断されている。」「アメリカだけの問題ではない。」と見解を発表した。米国で警察官がデモ隊に催涙ガスを発射したりゴム弾を投げている様子について「アメリカの政府に対しコメントは避けるが、この画像はショックである。」と批判した。

新型ウィルス関連情報(3月16日)3月16日ルッテ首相による国民向けスピーチ
16日(月)19:00より、ルッテ首相は、当国テレビ放送・インターネットを通じ、国民に向けてスピーチを行いました。主要ポイントは以下のとおりです。
 なお、オランダの首相がテレビを通じ国民に向けてスピーチを行うのは、1973年の石油危機に際して、当時のデン・アイル首相が行って以来はじめてのことです。

● 新型コロナウイルスが我が国と世界を席巻しており、国内外でとられている措置は平和時のものとしては前代未聞。
● 亡くなられた方のご親族に弔意を表し、療養中の方の早期回復を祈る。
● 高齢者や病気がちな方のリスクを最小限に抑えることが最優先課題。
● 異なる情報が次々入り、国毎に対応が違い、情報が瞬時に伝わり、意見も早急に変わる中、専門家の知識と経験に従い、措置をとるのが唯一の賢明な方法である。
● 私の今夜のメッセージは心地よいものではない。新型コロナウイルスは当面は居続けるであろう。専門家によれば、現実問題として、オランダ国民の多くがウイルスに感染するであろうが、ワクチンや薬ができるまでの間、ウイルスの拡大を抑え、コントロールされた集団免疫を得ることができる。それまでに何ヶ月かそれ以上の期間を要するため、その間、リスクの大きい人を極力保護する必要がある。
● 3つのシナリオがあり、オランダは、ウイルスを最大限にコントロールし、感染者数のピークを低め長期間に引き延ばすことで大多数の人を軽症にし、医療のキャパシティを維持する第一のシナリオを目指す。コントロールできずウイルスが拡散する第二のシナリオでは医療のキャパシティが不足する。国を完全に閉鎖しウイルスの阻止を際限なく追求する第三のシナリオでは、国を1年あるいはそれ以上停滞させなければならないが、オランダは開かれた国で、ワクチンがない以上、新型コロナウイルスは世界中に広がり、オランダも例外ではない。
● これまでに発表された全ての助言や措置は、第一のシナリオ「最大限のコントロール」に基づく。今後何ヶ月間かは試行錯誤となるであろうが、必要な措置と、極力普通に生活を続けることのバランスを追求する。
● 同時に、この危機が経済に与える影響に目をつぶることはできない。内閣は、オランダの企業家と被雇用者を支援するために必要なことを行う。
● これまでの指示や措置が遵守されていること、心温まる互助と団結に対して、私はオランダの全ての人達に謝意を表する。常識を働かせ、専門家の指示に従っていただきたい。今は意見や立場の違いを乗り越えて協力し合うべき時、大変な状況下で日夜他者を助け、ウイルスを抑制しようと努めている人々に対して信頼を託すべき時である。病院や高齢者医療施設の清掃業者、看護師及び医師、ホームドクター、保険局関係者、警察官、救急車要員、その他の救護関係者、学校、託児所、公共交通機関、スーパーマーケット等で働く人々の素晴らしい仕事ぶりに、心から謝意を表する。我々が直面する課題は極めて大きく、我々は17百万人が一丸となって対処していかねばならない。お互いを考慮しよう。皆さんに期待。