ニュース

オランダ中央統計局、西洋人と非西洋人という区分をなくす
crowd.jpg
オランダ中央統計局(CBS)は、これまで生粋のオランダ人と移民という区別用語をなくしてきたが、今回は「西洋人」と「非西洋人」という区分をなくしたい意向である。この決定は政府政策科学評議会(WRR)のアドバイスによるものだが、「西洋の出身」あるいは「祖先が移民」といった区分はもはやダイバーシティ(多様性)が尊重される現代の状況にはそぐわない区分だとしている。とくに「非西洋人」という言葉には差別的な意味あいが含まれることが問題となっている。

オランダで育ちオランダで教育を受けオランダ国籍を持つ移民の子孫も、このようなレッテルを貼られるということは、「過去の植民地的な考え方」を踏襲していると識者たちが指摘している。例えば、インドからやってきた知識労働者やアンティル諸島からの留学生やエリトリアからの難民は、すべて「非西洋人」と区分されている。これに対し、日本からの知的労働者やインドネシアからの留学生あるいはチェチェンからの難民は「西洋人」に分類されている。この非論理的な区分を廃止するためWRRは、出身地ごとの区分を提唱している。トルコ系あるいはアメリカ系といった区分だ。CBSは、5年前に「移民」「現地人」という用語を廃止しているが、今度はこの西洋と非西洋の区別をどのようにデータに反映させるかが課題となるだろう。


関連記事

オランダ人口増加続く。50年後にはオランダの42%が移民
population_growth.png
人口減少で悩む日本とは裏腹に、オランダでは人口が伸び続けている。中央統計局(CBS)の予測によれば43年後の2063年には現在の1,700万人から2,000万人にまで増加するという。今年2020年、オランダの人口は63,000人増加。昨年の増加の半分となっているが、これは新型コロナウィルスによる死亡者の増大と移住者の減少が影響している。2022年にはおそらく年間10万人の増加が予測されている。

移民(移住)者はまた増えると予想されているが、来年はコロナ禍による失業者の増加のため国外からの労働移住者は一時的に減る。ただ新型コロナによる死亡者は、治療法の改善やワクチン導入で減ると見られる。

人口増加は主として移住者の増加が牽引している。過去20年、オランダの人口は150万人増加したが、この96%は移民による増加である。2070年にはオランダ人口の42%が移民のバックグラウンドを持つとCBS。ただオランダの人口の高齢化も進んでおり、2040年には人口の4分の1が65歳以上になるという予測だ。 (画像:CBS)

オランダの人口、移民増加でさらに拡張続く
日本の九州ほどの小さな国オランダに住む人は1740万人。1990年には1490万人だったので30%の増加。そしてこの人口の増加は止まらない。増加のほとんどが移住者によるものだ。2019年にオランダに移住した人は27万人。オランダから国外へ移動した人は15万8千人なので、この差の11万4千人が増加したことになる。

移住者の多くがEU諸国から人で、戦火を間逃れてやってきた難民はそれほど多くない。移住者全体の6%ほどである。オランダに移住する人が圧倒的に多いのがポーランドから。ルーマニアやブルガリアからも多い。なぜオランダを選ぶかの調査は行われていないが、景気の良さや人手不足が欧州他国から人を寄せ付けているようだ。これらの移住者が働くのは農家や工場での教育程度が問われない部門が多い。オランダの給料でポーランドの家族が養える上、貯金もできる。

インドからの移住者も多い。そのほとんどがIT関連技術者だ。フィリップスやASMLといった大企業がこぞってインドから雇用しているため、アイントホーフェン近辺に多数在住している。人手不足とはいえ、EU外からの雇用は厳しい規制がある。インド人技術者は知識労働者という枠で高給を出す必要がある。

過去に最も移住者が多かったのは70年代に出稼ぎ労働者としてやってきたトルコ人だが、定住しすでに3世代目が活躍している。面白いことにこの世代は新興経済国であるトルコへm移住する人が増加。2014年のトルコへの移住者数は過去にやってきたトルコ人数合計を上回るという。

ブレグジットの影響でイギリスからオランダへと拠点を移す企業も増加している。すでに7000人の雇用を生んでいる。
留学生の増加も顕著だ。英語で授業を行う大学が増えているので、欧州各国や中国からの留学生が急増している。

オランダも高齢化が進んでおり、介護に関する業務はますます人手不足。海外からの労働力が求められているがEU条例でEU外からの雇用が難しいのが現状だ。



反移民・反EUのFvD党ボーデット議員、今度は女性蔑視
今年3月に行われたオランダ地方選挙で第一党となった反移民、反EUの民主フォーラム党(FvD)のボーデット氏が、アメリカの政治誌に寄稿した記事に対し、各党が砲火を浴びせている。「アメリカン・アフェア」誌の中でボーデット氏は、フランスの小説家ウェルベックについて書き、中絶、安楽死、そして働く女性に反対する旨を書いている。批判をしているのは、中道右派の自由民主党や民主66党そして左派の労働党、社会党そして緑の党である。

ボーデット氏自身は各党の批判を全く理解できないと発言している。「世界でも最も重要な思想家(ウェルベック)に関する美しいエッセイだ。全編をしっかりと読んで理解してほしい。」と反論している。

同氏は安楽死や中絶だけでなく、働く女性に対しても批判的である。「女性が”解放”され経済的に自立できることは喜ばしい限りだが、フルタイムで働くことは夫や家族にとっては苦難だ。仕事と育児を両立させるのは不可能。」だとし、これが欧州の人口減少の原因だという意見だ。

民主66党は「ボーデットは時代錯誤」だと批判、緑の党や社会党もこれに同意。緑の党は「お母さん、また昔のように女性の地位のために戦わねばならないの?」とツイートしている。教育科学文化省大臣ファン・エンゲルスホーフェンもツイッターで「馬鹿な記事」だと批判、「女性が自分の人生を選択できる自由のために、経済的な自立を促す目的で今も戦っている。」 オランダの大臣16人のうち10人は女性である。

移民大国オランダ、2017年は史上最高を記録
2017年のオランダへの移民総数は23万5000人と過去最大を記録した。オランダは大戦後はインドネシアなどの植民地からの移住者、60年代からの南欧や中東からの労働者、そして近年の難民と、多くの移民を受け入れてきた移民大国である。中央統計局(CBS)によれば、オランダに住む人の8人に1人は国外で生まれている。

最近の移民の大半はシリアそしてエリトリアから戦火を逃れてやってきた難民とその家族である。またEU加盟国からのオランダでの仕事を求めてやってくる人や学生も大きく増加している。過去3年でEU加盟国からの労働移民は年間平均8万人と2004年の約2倍。2004年はEUの各国からの労働者をオランダで受け入れるようになった年である。当初はEU加盟に間もない東欧からの労働者が多かったが、最近では経済危機にあるギリシアやスペインからやてくる人が増大している。

キャリアや学業を海外で、という人はオランダにやってくる移住者だけではない。オランダから出ていくオランダ人も増えている。昨年にはこの数は15万4000人にのぼっている。オランダへの移民数からオランダからの移民数を引くと、年間8万人という人口増加という計算になる。この数はオランダ東部の市ヘンゲローの住民数に匹敵し、オランダの人口増加に貢献している。

EUトップ会談でアフリカ移民問題で合意、オランダ首相は満足
28日夜から29日早朝まで続いたEUの28カ国首脳による会談がブラッセルで開催され、長い討論の結果移民問題で合意に達した。現在欧州では地中海をボートで渡ってくるアフリカからの移民が問題化しており、先日もイタリアが受け入れを拒否したためスペインまで航海を続けるという事件が起きている。アフリカからの移民がまず上陸するのがイタリアやギリシアなので、欧州内における不公平感が高まっていた。

移民の中でも戦火や反乱を逃げてやってくる難民と、より良い生活を求め欧州に渡る人たちがいるが、難民に関しては欧州全土で受け入れる。ただし東欧諸国はこれを断固として拒否している。長期的には一箇所で移民や難民を管理するシステムを構築するということになりそうだ。

オランダのルッテ首相は、現在EUの助成金でトルコでシリア難民を受け入れているのと同様なシステムをEU外の国に設置したいという意向を示し、これがEU全体で合意に至った。「この問題は非常に複雑であるが、合意に至ったことは喜ばしい」と述べている。これまでEU内で犠牲を払ってきたイタリアも今回の合意を歓迎している。

さらに今回の会議ではロシアに対する経済制裁をさらに6ヶ月間延長することも決定した。ロシアに対する制裁は4年前のロシアのクリミア侵攻に端を発している。制裁は、ロシアのエネルギー企業、防衛企業そして銀行の欧州での活動を禁じるものと、先端技術のロシア輸出を制限するもの。