ニュース

政府のコロナ規制に反対する大規模なデモ
demonstration.png
先週末から施行されているコロナ規制で、マスク着用やコロナチェックQRコードの提示などが義務付けられた。オランダのコロナ感染者数を見れば、この規制は適切で、他の欧州諸国に比べると開始時期は遅いし、規制もそれほど厳重ではない。それでもこの規制やワクチン接種に反対する人はいる。

7日日曜日、2万人から2万5千人の参加者がハーグに集まり、政府のコロナ規制に反対するデモを繰り広げた。デモ隊は中央駅そばのマリーフェルドを開始点に国会付近を行進した。警察隊が行進を誘導していたが、花火や爆竹以外の暴力などはなく終了している。

参加者の多くがプラカードや横断幕を掲げ、コロナ規制に対する反対や、ルッテ内閣の批判を表明していた。「愛、自由、反独裁者(ルッテ首相を指す)」というプラカードや「我々は嘘にうんざりしている」などの政府への批判が目立った。また行進ルートの電柱やゴミ箱に「メディア=ウィルス」、「コロナワクチン=毒」というステッカーが数百枚貼られていた。行進は問題なく行われたが、政府を批判する人たちの怒りが目立った。

デモは数十の団体がまとまった「オランダのための共生」という団体が組織している。


関連記事

アフガン難民受け入れ施設、抗議者デモで放火も
refugees_afgan.png
アフガニスタンの米軍撤退とタリバンの侵攻にともない、オランダ軍で通訳として働いていた人たちなどが難民としてオランダに到着している。火曜日夜、難民受け入れ施設のひとつであるオランダ軍事施設ヘルダーセ・ハルスカンプの前で住民による抗議デモが行われた。ハルスカンプはヘルダーランド州のエーデ市にある村で、クレラー・ミュラー美術館にも近い。

「オランダ国民を優先しろ」「ハルスカンプは我々のもの」といったプラカードを掲げた約250人が、受け入れ施設の前に集まりデモが行われた。最初は静かな抗議だったが、夜9時半ごろになると、車のタイヤを燃やしたり大音響で音楽をかけるなどエスカレートした。警察が介入し騒ぎが収まったのは11時頃だった。

ハルスカンプの難民受け入れ施設にはアフガニスタンを逃れた人用に800のベッドが用意されている。
アフガニスタンからの難民は現在一時的に軍隊の施設が使用されている。フローニンゲンのザウトカンプ、ザイスト近くのハウス・テル・ハイデ、そしてこのハルスカンプである。ナイメーヘン近くのヘウメンスオードにも近々4箇所目の受け入れ施設が開かれる。難民受け入れ機関(COA)によれば、1日に200人から400人のアフガン難民がオランダに到着しているため、さらに多くの受け入れ施設が必要とされる。

ハーグで政府のコロナ政策に反対する大規模なデモと暴動
haagdemonsration.png
政府のコロナ対策に反対するデモが日曜日ハーグのマリーフェルト(中央駅付近)で行われ、これが暴動に発展した。警察は花火などで対抗する抗議者をや放水などで対応し数名を逮捕した。この日は17日に行われる総選挙前最後の日曜日で、政府の対策への抗議を示す人たちが集まった。

200人の参加が事前に許可されていたデモは14時ごろに開始されたが、時間が経つにつれ抗議者は数千人へと膨らんだ。政府は事前に参加者同士の距離を保つよう通達していたが、これが全く守られなかったため警察が介入したもの。警察は解散を呼びかけたが、これに従わなかったため警察犬や騎馬隊がデモ参加者の間に導入した。一部の抗議者は別の地域へと逃げたが、最終的には逮捕されることになった。このデモは「占領下オランダ(Nederland in Verzet)」という団体が組織したもの。

このデモと暴動に対し、アムネスティ・インターナショナルは、警察が警察犬の導入や警棒で叩くなど過剰な暴力で対応したと批判している。

飲食業、政府の助成に不満。ハーグでデモ
horeca_demo.png
飲食店業関係者は月曜日、現在の財政援助では10月14日から始まった部分的ロックダウンによる損害を埋められないとし、ハーグにてデモを行った。政府は現在飲食店業界に対する追加補償に関し討議中で、内容がまとまり次第実施される見込みである。しかし、なんとか飲食業界が生き残れるとしても、今回の損失はオランダ経済全体に暗い雲を投げかけている。2019年の飲食店業界の総売上は150億ユーロで、オランダのGDPの約2%に匹敵する。

オランダ中央統計局のチーフエコノミストは、政府の支援額は巨大であるが、経済の構造的改善には至らないと見ている。飲食業界は多くの雇用を抱えている。とくに若者がアルバイトとしてレストランやバーで働いており、今回の部分的ロックダウンで解雇された場合には補償はない。これが始まるといわゆる連鎖反応で、購買力が減るだけでなく住宅市場にも波及するかもしれない。今回のコロナ危機は10年前のリーマン・ショックとは様相は違うと言われてきたが、当時起きた不動産市場の崩壊や長期失業そして消費者信頼度の低下が起きる可能性はあるとチーフエコノミスト。

飲食業者は10月から雇用費用の80%を政府から支給されている。さらに10月末には平均2500ユーロの固定費補助が支給された。しかし、雇用費補助は減額されていくため飲食店の生き残り懸念は大きい。これに対し政府は数億ユーロの追加援助を検討している。これには飲食業界だけでなく、今回のコロナ禍で被害を受けたイベントや文化セクターも含まれる。

オランダのBLMデモは信頼関係
erasmusbridge.jpg
先週の水曜日、6月3日のことでしたが、仕事から自転車で戻る道すがら、不思議な光景を目にしました。
エラスムス橋が大量の人で埋め尽くされているのです。
エラスムス橋というのはロッテルダムにある一番大きな白い跳ね橋で、全長は802メートル、横幅は33.4メートルもあります。その大きなエラスムス橋から、自販機からカラーポップコーンが出てくるような具合に、次から次から人が湧いて出るのです。コロナ体制下で、これだけ密な群衆を見るのは久しぶりで、思わず目を奪われました。ところが不思議なことに、橋を渡り切ったところで、その群衆がふわーと散っていく。
デモだとわかるのにしばらくかかりました。
そのまま行列となって先に続いていたらすぐにわかったでしょうけど、渡り切った瞬間に四散して消えていくので、しばらくは謎の減少として、夢でも見ているのかと思ってしまいましたよ。
この橋のたもとには以前から「1.5メートルの距離を保て」という巨大な立て看板が立っているのです。一瞬この看板の忠告にみなが従っているように見えて驚愕しました。

デモだとわかったのは、何人かの人が「BLACK LIVES MATTER」というボードを掲げていたからです。
つまり、ミネアポリスで警官が黒人男性を殺害した事件が発端になった、人種差別抗議デモなのでした。なぜロッテルダム橋のたもとでこの群衆が消えたのかというと、市長がコロナウイルスの脅威を懸念して解散命令を出したからですって。

http://www.portfolio.nl/news/buz/show/3101

もしこの記事を読んでいなかったら、謎は生涯、謎として残ったかもしれません。年を取って古老になってから、若い人たちに、「昔、不思議な事があってね・・・」と語って、彼らを煙に巻いてしまうところでした。ああ、あぶない。
無知は闇、知は力。それを実感する今日この頃です。
  
ロッテルダムのデモには数千人が集まったそうです。
夏日の海岸に人が殺到した時にも思いましたが、オランダではだんだんコロナがどうでも良くなりつつありますね(笑)。
死者数は日本よりもオランダの方が段違いに多いのですが、やはり黒人の命の方が大切ですし、デモする権利のほうが大切ですし、それから夏日の海岸はもっと大切なのです。
人生は短いですし、こんな風に大切な事柄に優先順位をつけて、自分なりの充実した人生を送り、自分なりに納得して人生を終えたいものです。とりあえず仕事だけはリモートを維持していきたいですね。危ないから。コロナが。

それにしても、オランダ各地で行われたデモに、大勢の人が集まったという事は大変心強くもあり、感動的なことでもありました。
私はオランダの警官に悪い印象は持っておらず、横暴と言うよりはむしろ守ってもらっている感覚の方が強いのですが、今回も、彼らは橋のたもとで皆のためにせっせと交通整理をしておりました。その感じも良くてね。
 
オランダのデモが暴力的にならず、もちろん暴動や略奪などに発展しないのも、社会にそれほどの理不尽が横行しておらず、市民と行政の双方に基本的な信頼関係があるからだと思います。遠いアメリカの黒人の人権のために大量の市民がエラスムス橋を埋め尽くすのも、いったん市長が「そりゃコロナにかかってしまうからやめなさい」と言ったら、橋を渡ったところで散っていくのも、みんなが正気の証。解散命令だって、別に銃を持ち出してきた訳でもなし、軍隊が発動された訳でもない。
そんなものが必要ない社会であるということは、とてもありがたいことです。
 
「Black Lives Matter」は「Police Lives Matter」でもあります。アメリカのように、相手に対する攻撃がどんどんエスカレートし、応酬するやり口もどんどん非人間的になっていけば、あとはどちらかが完全に制圧されるしかない。その後さらに深まる互いの不信感と恐怖を、アメリカはどうやって解消するつもりかなあと思います。

いずれにせよ、態度を変えるのは、いつだって強い方じゃなければいけないのだと私は思っています。
弱い方はいつだって立場がなく、状況を変えるための力を十分に持っているわけではありません。あがいても自分が首まで浸かっている泥沼をかき回すことにしかならない。今回の略奪・暴動にしたって、黒人たちにそれで何の得があったのか。
けれど、国家および警察の側には、状況を改善するために出来ることはいくつもあるのです。何しろ資金的にも頭脳的にも組織的にも、国家は黒人を圧倒しているのだから。
ならば、変革は黒人の側にではなく、国家の側に求めるべきだというのは間違いありません。世界中で人々が弱い方の味方についたことは、ただもう正しく、そうあるべきことだったと思うのです。

偏見や差別は誰の胸の中にでもあって、それは社会的階層だったり、経済格差だったり、異文化だったり、ある程度現実に根差しているものだと思います。だから、他者から指摘されてすぐ変わるというものではないのかもしれませんが、でも長い年月をかけて、少しづつ自然と質が変わっていくことはあるでしょう。根気よく、偏見のない道を作る小石のひとつであり続けることが肝要だと思った次第でした。 
(image: Hart van Nederland)

オランダ最大の人種差別反対デモが今夜黒人地区にて行われる
marktBijlmer.jpg
オランダではアムステルダム、ハーグ、ロッテルダムそして各地方都市で反人種差別デモが行われたが、10日午後17:00にはアムステルダムの南東地区ベイルマー(Bijlmer)にて大規模なデモが計画されている。
ベイルマー地区は、近年ではオフィスビルやマンションなどが建造され人種融合化が進んでいるが、それでも大半の住民は非オランダ人である。オランダは過去南米のスリナムを植民地支配していただけでなく、現在でもカリブ海にオランダ領を所有している。ここに住む黒人はスリナムやカリブ海領地からの移住者が多い。以前は犯罪が多く危ないと言われた地区だが、最近では改善され犯罪率も半分以下に下がった。レストランやカフェなどもエスニック料理が豊富で楽しめる。

本日のデモはこのベイルマーのアントン・デ・コム広場で予定されていたが、ソーシャルメディアなどで参加を募ったところ4000人以上が参加を表明している。これまでの経過から最低この倍以上の参加者が予測されているため、急遽近くのネルソン・マンデラ公園に変更されている。ここには人との距離を1.5メートル開けても18,000人が立てるという。

本日のデモの主催者によれば、ザイドオースト(ベイルマー)黒人地区は、構造的な差別のシンボルで、いかにこれ(隔離政策)が失敗しているかを表すものだという。ベルギーではアフリカのコンゴでの搾取を行ったとしレオポルド2世の銅像が倒されるという事件が起きたが、オランダは奴隷貿易で富を得ていた。オランダで奴隷制度が廃止されたのは150年前である。
(画像:Gemeente Amsterdam)


ポートフォリオ・オランダニュースは2004年から17年間、読者のみなさまに無料で記事を提供させていただいてきました。 広告主様による財政援助や読者のかたによる寄稿などで、これまでの間無事にニュースを発行することができたこと、心からお礼申し上げます。 今後も正確で迅速そして皆様のお役にたてるニュースを配信続けるため、ご支援をお願いしております。 以下のフォームから寄付ができます。クレジットカードだけでなく、銀行カード(オランダ、ベルギー)そしてPaypalでもお支払いができます。銀行カードの場合には支払いページで「Direct Debit」を選びます。どうぞよろしくお願いいたします。