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オランダの億万長者また増加
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オランダの億万長者が毎年増え続けている。2020年1月には前年より2万4千世帯増え、27万8千世帯を記録した。億万長者とは、資産合計が100万ユーロ以上の世帯をさす。預貯金や投資、そして不動産(ローンを除く)などを合計したものである。

さて億万長者はどこに住んでいるのだろうか? 統計によれば、ほとんどの人が北ホランド州に集中していて、ブルーメンダールやラーレンといった高級住宅地に住んでいる。逆に億万長者が少ないのが、フローニンゲン州、フレーフォランド州そしてリンブルグ州である。

億万長者の増加は経済成長、企業実績の好調、株式市場と不動産市場の高騰によるところが大きい。億万長者の資産は、半分以上が株式に、そして5分の1が自宅という統計が出ている。これに対し、非億万長者は、資産の4分の3が自宅不動産となっている。

億万長者の平均資産は160万ユーロ(約2億円)。これは非億万長者平均の5万6千ユーロの約28倍だ。1000万ユーロ(約13億円)を超える資産を持つ世帯も8千3百世帯ある。そして貧富の差はコロナ禍でさらに顕著になっている。


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オランダ人は金持ち? 個人金融資産高世界4位
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ドイツの保険会社Allianzが発表したグローバル・ウェルス・レポート2020年によれば、オランダの平均個人純資産額は129,000ユーロと世界4位にランクされた。2020年はコロナ禍で世界中が不況に陥ったが、オランダは政府による助成でこれをなんとか乗り切った。また、不況とは裏腹に株式市場が高騰し、オランダの年金基金が期待以上に好調であったことも要因のひとつだ。

純金融資産が最も高いには米国で平均218,000ユーロ。続いてスイスの212,000ユーロ、次がデンマークの149,000ユーロとなっている。米国の金融資産が高いには資産の半分以上を投資しているからだと分析している。スイスは税金の低さで富裕層を引きつけている。オランダがランクの上位に上がったのは、コロナ危機の間、旅行も外食もできずに預金だけが増えたからと見られている。

同レポートによれば、2020年は世界的に貧富の差が拡大した年である。コロナ危機で数百万人が所得を失い、負債が増えた。一方で、政府の補助により失職を免れ、所得が安定し、資産を増やした人もいる。オランダは平均すれば個人の金融資産は増えたが、貧富の差は広まっている。

オランダ特有の資産税に対し、裁判所は不当判決
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オランダでは貯蓄などの金融資産に対し、みなし資産税が課せられている。実際に預金から得る金利所得とは関係なく、金利4%という架空な利益に対し所得税30%をもとに、一律1.2%の税金が課せられている。現在、限りなくゼロに近い、あるいはマイナス金利で預金をしている人にとって、これは不当な課税であるという声が高い。

ここ数年間、不服のある預金者1万人が、所得がないのに所得税が課せられるのはおかしいと、告訴に踏み切った。そして、ハーグにある地方裁判所は2015年から2018年の「預金に対する資産税」に対し、金利がゼロであるというのに1.2%課税されるのは不当だという判決を下した。同裁判所は、このボックス3と呼ばれる課税は、欧州の人権条約に反するものだという解釈を出した。

税務当局は、50,000ユーロ以上預金がある人達は、預金せずこれを投資に回しているはずだと仮定している。オランダは投資によるキャピタルゲインに対しては課税されないからだ。ただリスクを恐れ投資をせずに銀行口座に預金している人たちも多く、所得がないのに不当に課税されるという不思議な構図が生まれている。

この判決で、裁判所は政府に対し何らかの対処を求めている。しかし、これまでに徴収した税金を払い戻すことは要求しなかった。2019年にも同様な裁判が行われたが、最高裁は預金に対する課税の廃止を求めたが、過去に徴収した税金の返却は必要ないとしている。

オランダ人は裕福に。個人資産10%増大、とくに北ブラバントの農家
オランダ人で家を持っている人は不動産価格の上昇で資産価値が大幅に上がっている。賃貸ではなく持ち家に住む世帯は全体の約半数だ。中央統計局(CBS)の統計によれば、2016年平均で資産価値は2万2千ユーロと10%上昇している。ただし持ち家のない世帯を含めると資産上昇は2015年と同じ比率にとどまる。

資産合計が100万ユーロ(約1億3000万円)を超えるミリオネアの数は9000人から16万7000人へと大きく増えている。資産合計が一番高いのはラーレン(Laren)。このほか、北ブラバント州には多くの「金持ち」村が存在する。資産家が多い市町村トップ10のうち6市町村がなんと北ブラバント州にあるという結果が出ている。一般の人には馴染みが薄い、オイルスホット(Oirschot)、ヒルファーレンベーク(Hirvarenbeek)、アルフェン・ハーム(Alphen-Chaam)といった村である。北ブラバント州には裕福な農家が多いのがこの背景にある。農場や機械といった資産が少なくとも簿上では価値を押し上げている。ここでは労働人口の5人に1人が農業従事者である。

これに対し都市部の住民の資産合計は下がっている。とくにロッテルダムでは1900ユーロも下がっている。アムステルダム、ユトレヒト、ハーグでも同様に資産の下降が目立つ。都市部では生活保護を受けている人、若者、移民が多いため、不動産価値の上昇にもかかわらず全体では資産合計は減少している。

「オランダの資産税は所有権に反する」法務長官見解
オランダでは預金などの金融資産に対し資産税が課税されている。預金や投資などの金融資産からの利回りが4%であると想定し、これに対し30%の課税となるため、実質的には全金融財産残高に対し1.2%の税金がかかることになる。しかし超低金利の現在、預金残高に対し1.2%が課税されることになると元本割れとなる。

オランダ最高裁(Hoge Raad)の法務長官(Advocate General)ニーセン氏は、資産税は所有権に反するものだとし、16日火曜日、これを所有権の侵害だという見解を発表した。

預金そして投資からの利子や配当金が4%の利回りを生むという仮定は、1990年台に設定されたもので、現状にそぐわない。「4%の利回りがありえないという状況で、1.2%の資産税を課すことは所有権の侵害となる」と法務長官。この発言を受けた財務省は「資産税が所有権の侵害にはならない。」という見解を発表したが、国会での討論を待つとも述べている。国会では想定利回りの見直しを行う予定である。

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