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胃切除手術のウェイティング長く。肥満はコロナに危険
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肥満はコロナウィルスに感染すると危険である。オランダのICUに入院している人の80%は太り過ぎで、40%は肥満という統計がオランダICU協会から発表されている。コロナに感染してもICUに入るほど重篤化したくない太り過ぎそして肥満の人は、こぞってダイエットに励むか胃の一部を切除する手術を受けている。この腹腔鏡下スリーブ状胃切除術は大人気で、コロナ危機が始まってから15%も増加している。ところが、コロナ禍で手術自体が難しくなり、現在2000人がウェイティング状態。そして毎月数百人がこのリストに加わっている。

オランダでは成人の約半数が、BMI25以上の太り過ぎだという。女性よりも男性に多く、50歳以上が多い。また肥満といわれるBMIが30以上の人も14%いる。オランダの肥満クリニックや病院では年間12,000人がこの胃を小さくする手術を受けている。

エラスムス・メディカル・センターの内分泌専門家によると、お腹の脂肪はウィルスの貯蔵庫のようになるという。「ウイルスは脂肪組織に定着し、あらゆる種類の炎症を引き起こす。その結果、免疫系は常に準備状態にあり、コロナウイルス粒子自体を標的にできなくなる。」この胃切除手術だけが肥満を解決する手段ではなく、薬やライフスタイルの改善でももちろん可能だ。ただし病気などで体重を減らすことが難しい人はこの手術が最も適しているという。
がんや心臓病の人の手術が、コロナ禍で遅れている今、この胃切除手術はさらに後回しとなっていう。


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肥満で胃を縮小する手術にともなう皮膚の整形、保険でカバー?
オランダでは毎年1万人が肥満治療のために胃を小さくする手術を受けている。このうち80%の人は、手術後に余った皮膚を取り除く整形手術を望んでいるが、実際にこの手術に保険で払い戻しを受けているのは5人にひとり。自己負担ができず、皮膚の除去をおこなわなかった患者は精神的な疾患をかかえることもある。専門医は、この手術を保険でカバーするべきだと主張している。傷、皮膚感染、性的疾患などを保険治療できないことで、精神的な問題に発展するというのが、その根拠である。

専門医とオランダ肥満問題協会は、健康省大臣に保険による補償の範囲を広げるよう嘆願している。「肥満の患者は自分の身体を恥じるあまりパートナーとの関係がうまくいかなくなったり、精神的な苦痛に苛まされたりする。」肥満は単なる食べ過ぎから来るものだけでなく、他の病気によるものもあり、単に自己責任として片付けられる問題ではない。これを受け、政府そして保険会社組合では、美容目的以外での整形手術は保険でカバーできるよう検討している。


サッカーチーム、肥満のサポーターの減量トレーニング
オランダのプロ・サッカーチームは「肥満のサポーターの減量を助ける」というプログラムを開始する。この減量プログラムを行うのはPSV,フィテッセ、FCフローニンゲンで、トレーニングは夏休み明けに始まる。

このトレーニング「ユーロフィット」に参加できるのは30歳から65歳の男性サポーターで、運動不足が原因で肥満となっているというのが条件。参加者はサッカーチームのスタジアムやトレーニング場で運動する。このプログラムはアムステルダムのVUメディカルセンターの研究調査の対象ともなっており、スポーツやライフスタイルの効果を調べる。このため参加者はいわゆるBMI値(肥満度)が27以上であることが条件。

このプログラムはスコットランド・プレミエリーグの「サッカーファンをトレーニング(Football Fans in Training)」をモデルにしたものである。スコットランドではアーセナル、エバートン、マンチェスター・シティ、ベンフィカ、そしてバレレンガIF行っている。オランダのほかにも、英国、ノルウェイそしてポルトガルがこの秋から同様なプログラムを開始する。

肥満化する欧州でオランダ人のみが例外
6日に発表された世界保健機構(WHO)の報告によれば、欧州53カ国のほぼすべての国で肥満化が進んでいる。このまま何の施策も施されなければ2030年には大人がほぼ全員体重過剰という「肥満危機」に直面するという。WHOの調査は体重と身長の関係から算出されるボディマス指数(BMI)を基準にしており、指数25以上は体重過剰、30位上は肥満としている。

BMIがここ数年急激に上昇しているのが、アイルランド、スペイン、スエーデン、オーストリア、チェコそしてイギリスである。これに対しオランダは唯一の例外で体重過剰は減少の方向にある。2010年には54%の男性が体重過剰であったが、報告書の試算によれば2030年にはこの半分となる。さらに肥満も10%から8%へと減少する。女性も13%から9%へと肥満の人は減る見込み。
オランダ人の食生活は他の欧州の人たちと比べて決して健康的だとは言えない。脂肪分や塩分の摂取も多い。大きく違うのは運動量である。運動をほとんどしないという人は全人口の5分の1で、他の人はなんらかの運動をしている。オランダ人の運動とはジム通いやジョギングだけでなく、大きな割合を占めるのが自転車。移動手段の4分の1が自転車という国なので運動量は他国に比べ大きいといえる。

アムステルダム、肥満児対策に給水栓設置
子供の肥満を防ぐためにアムステルダム市では今後300基の飲料水用給水栓を設置する。給水栓は公園、遊び場などに設置し子どもたちが砂糖が大量に含まれている清涼飲料水の代わりに水を飲むように推進する。すでに160ヶ所に設置されており40ヶ所では設置中である。残りの100基は来年以降となる。

アムステルダム市の肥満児はこの2年で2%減少したがまだ3万人の子供が肥満。このうち2300人は病的な肥満と診断されている。市の調査によれば、裕福な家庭ではミネラルウォーターを子供に与えるのに対し、貧困層ではコーラやジュースを大量に与える傾向があるという。オランダの水道水は硬水ではあるが水質は高い。


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