2022-04-26
オランダが開発したソーラー車、やっと商業化に
3年前に太陽光で走る車として脚光を浴びた「ライトイヤー・ワン(Lightyear One)」がやっと製品化され顧客のもとに届けられそうだ。5㎡ものソーラーパネルを屋根に積んだこのライトイヤー・ワンは、1台15万から25万ユーロ(2000万から3000万円)という価格で販売される。
開発開始から3年もかかった事情の裏には、投資や技術面での苦労そしてコロナ危機がある。技術面では白紙の状態から始めたことが、テスラなどのすでに既存のモデルがあった電気自動車とは大きく異る。電気モーター自体が車輪の中に積載されているなど、すべてがゼロからの状態で開発されている。またソーラーパネル自体も車用に開発した。つまり、車生産だけでなくソーラーパネルの生産も同時に始めたのである。
さてこのソーラーパネルによる電力でどのくらい走行できるのだろうか? オランダの夏には約70キロ、冬には35キロ走れる。それ以上の走行は通常の電気自動車のように充電が必要となる。ライトイヤー・ワンは、時速130kmまで出せることが実証されている。
最初のパイオニア・エディションと呼ばれる150台は1台15万ユーロ。150台すべて予約販売済みだ。ただ昨今の原材料不足やインフレでこの価格を維持するのは不可能になっている。おそらくこのあとは25万ユーロで販売することになりそうだ。ただ25万ユーロに値上げしたところでどれだけの需要があるのかは、未定だ。
ライトイヤーは一般の人にも手が届く「ライトイヤー2」という車種を開発計画だ。完成は2024年か2025年になりそうだが、価格は3万ユーロ(約500万円)と廉価。この車はリース会社リースプランとカーシェアリングの会社マイウィールがすでに5000台を予約している。
今のところライトイヤーの競合はいないが、今年初メルセデス・ベンツがライトイヤー・ワンに似たEQXXのプロトタイプを発表している。
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2019-10-20
ソーラーカー・レースでオランダのアイントホーフェン大学チーム優勝
オーストラリアで行われた太陽光で走る車のレース世界ソーラーチャレンジ(World Solar Challenge)のファミリーカー部門で、オランダのアイントホーフェン工科大学のチームが優勝した。同チームの優勝は連続で4回目。今回の大会ではオランダのチームの活躍が目立った。主要部門とクルーズ部門そしてこのファミリーカー部門で健闘した。
アイントホーフェン工科大学はファミリーカー部門で一位になっただけでなく、車のインテリアとくつろいだデザインで賞を受賞した。車の中でドラマシリーズを見たり、ゲームをしたり、音楽を楽しめるという。
主要部門に参加したオランダの他の2チームは途中でリタイアという結果に終わった。トゥエンテ大学チームは強風により道路から吹き飛ばされる車が損傷した。デルフト工科大学のソーラーカーは最終ラップで炎上するという事故にあい、これもリタイア。
フローニンゲン大学チームはフィニッシュしたが4位に終わった。主要部門で優勝したのはベルギーのルーベン大学のチーム、2位が東海大学チームである。
2017-10-13
オーストラリアで開催のソーラーカーレースでオランダチーム優勝
太陽電池を動力源とするソーラーカーでオーストラリア大陸をおよそ3000キロ縦断する世界最大級のレースで、13日オランダチームが優勝した。世界各地の38チーム42台の車が北部の都市、8日オーストラリア北部のダーウィンを出発、南部のアデレードまで走った。優勝したのはオランダのデルフト工科大学のヌオン・ソーラー・チーム。参加チームの中で最も軽い車で合計37時間10分41秒という記録を達成した。
これまでに最も速かったのは2009年に東海大学チームが出した29時間49分というもの。東海大学チームは今年は米国とベルギーに続き4位という成績。
ヌオン・ソーラー・チームのスポークスウーマンによれば、「車の性能が高いことはもちろんだが、クルーズ時の戦略が重要だ。常時天気をチェックし太陽の動きを調べながら走行したことが勝因となった。」という。
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