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食品ロス。消費期限と賞味期限の違いを知る
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食品ロスが世界中で大きな問題となっている。オランダの消費者が廃棄する食品はひとり年間34キロにも上る。これには消費期限の曖昧さも影響している。

オランダの消費者が購入する食品の10%がゴミ箱行きとなる背景には、消費期限と賞味期限の違いを知らないことがある。賞味期限が切れているものは消費は可能なのに捨ててしまうことが多い。オランダ語では消費期限はTGT (te gebruiken tot)、賞味期限はTHT (ten minste houdbaar tot)と記載される。前者は記載されている期日までに消費しないと、(目には見えないが)腐ったりカビが生えたりする可能性がある。肉や魚などがその例だ。これに対し賞味期限(THT)のほうは、ビールや缶入り製品など、腐敗やカビなどの問題がない製品につけられている期限だ。つまり健康上の問題は発生しないが、質が落ちる可能性があるものだ。もちろん賞味期限が切れてから永久に食べられるというわけではないが、すぐに捨てる必要はない。

オランダ人でこの消費期限と賞味期限の違いを知っているのは38%に過ぎず、賞味期限が切れるとすぐにゴミ箱行きになる食品が多い。もし賞味期限にこだわらなければ、年間ひとり14キロの食品ロスが減る計算だという。


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インフレ減速するなか、食品は軒並み値上げ
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オランダの11月のインフレ率は11.2%だった。たしかにこの数字は高いものの、過去数ヶ月に比べると減速している。ただ、食品、アルコールそしてタバコは昨年比で大幅に値上がりしている。インフレ率は先月に比べると5.6%下がっている。中央統計局(CBS)によると、エネルギー費が下がったことが要因だという。

10月にはエネルギー費は昨年同月と比較し100%上がっている。それが11月は40%の値上げに留まった。「もちろん上げ幅は高いが、他の月に比べると低い。」とCBS.

昨年からエネルギー費は大幅に値上がりしている。しかし、値上がりの幅は下がっており、ガソリンなどの車両燃料費はだいぶ安くなっている。

光熱費の上昇が減速し、全世帯が補償金を受け取るなど、一時のショックは薄れつつあるものの、食品などの毎日の買い物にはほとんど影響はなく逆にかなりの勢いで上がっている。



食品大手4社、フードバンクに大型寄付
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オランダの食品大手4社がフードバンクに寄付する量を増やす。最近ではインフレとエネルギー費の上昇で、これまでフードバンクを利用したことのない層の利用も増えている。スープなどを製造する「Unox」ピザなどの冷凍食品の「Iglo」豆や野菜などの缶詰の「HAK」ビスケットなどの「Bolletje」の4社だ。フードバンクはこれから冬に向けて利用者が増えると予想している。

Unoxは50万個のスープの缶詰、HAKは60万個の野菜の瓶詰め、Igloは1万の食事と野菜ミックス、そしてBolletjeは12万個の朝食やおやつ用製品を寄付する。4社は他社にも同様な寄付を行うよう呼びかけている。

フードバンク本部は今回の寄付に感謝の意を発表している。顧客が増える中、食品が不足しているため今回の大量寄付は本当に助かるとし、他の中小食品メーカーにも同様な寄付を依頼している。

フードバンクを利用できるのは、所得から家賃や光熱費や保険料などの必要経費を差し引いて、食品に費やせる金額が一定金額より少ない場合。例えば独身の場合、月に300ユーロしか残らない人、シングル親の場合には410ユーロが基準となっている。これまでは低所得者層がほとんどだったが、このインフレと光熱費値上げで、中所得者層の利用も増えている。

原料、エネルギー、そして戦争で食品価格さらに上昇
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ウクライナでの戦争やこれに関わる世界的な原料不足で、スーパーマーケットとサプライヤーは商品価格に関して「前例のない」戦いを繰り広げている。スーパーの棚から商品が消えるだけでなく、工場閉鎖も余儀なくされることもある。「戦争は火に油を注いでいる。」

スーパーマーケットとサウプライヤーはパンや野菜などの価格については年間を通して前もって決めていることが多い。サプライヤーはある程度のマージンが欲しいし、スーパーは批判的な消費者を満足させる価格で提供したい。ところが今年は、昨年からの原料不足と戦争で、再度価格交渉が行われることが多くなった。

スーパーでは値上げだけではなく、商品が棚からなくなるという現象も起きている。アルバートハインではキットカットが消え、ユンボではケロッグ製品がなくなっている。サプライヤーは価格を上げたいが、スーパーは支払いたくない。これが棚から商品が(一時的に)消える原因だ。

レバーペーストやスープを製造しているスワーネンブルグ・フードは、スーパーとの価格の折り合いがつかないため、昨日工場を閉鎖すると発表した。原材料、ロジスティック、光熱費、パッケージ、などすべての価格が高騰しているが、スーパーは値上げを認めないという。

専門家によれば、2022年の食品価格は10%ほど値上げしないと、コストをカバーできないという。コストの上昇は労働市場の逼迫とコロナによる流通問題が原因だ。そして、この戦争でエネルギー価格の急上昇がコスト高に火を注いだ。ただ戦争による原料価格上昇が実際に反映されるのはもっと先だという見方もある。

オランダの食料品価格はこれまでかなり低いレベルで抑えられてきた。オランダの消費者は食品は安いものと考えていたし、実際他国と比べても安いという。それがここに来て大幅に値上がりしているが、これに慣れるしかないのかもしれない。

1月の物価上昇7.6%  エネルギー費と食品が値上がり
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今年1月の物価は1年前と比較し7.6%も上昇した。中央統計局(CBS)が発表した統計によれば、昨年12月は6.4%だった。この物価高の主たる要因はエネルギー費。さらに食料の価格も上がっている。
パン、肉、野菜といった食料品の価格は1月は昨年同時期に比較し2.6%上がっている。インフレは2021年を通し続いてきた。経済専門家は一時的なものだと見る向きが多かったが、2022年もこの物価上昇は収まりそうもない。

ヨーロッパ全体でも物価上昇が見られる。ユーロスタット(Eurostat)統計によれば、1月のインフレ率は5.1%だった。

食品廃棄を減らすために改良された野菜登場
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今オランダでは、野菜のゴミを減らすための品種改良が行われている。たとえば、ハンバーガー用のバンの大きさにぴったりのサイズのレタス、捨てることが多い太い茎のかわりに細い茎のブロッコリ、黄色くなると捨ててしまうが白いままで長持ちするカリフラワーなど、捨てないことを前提にした野菜である。改良野菜は、現在行われているフィールド・オブ・イノベーションという農家とスーパーマーケットなどが参加するイベントで紹介されている。世界規模では、野菜や果物の30%から40%がゴミとして捨てられている。これを減らそうと、オランダの農業界は、消費者の要望を考慮し、新しい野菜の改良を行ってきた。

品種改良野菜を生産するシナジェンタ(Synagenta)社は、「品種改良には開発から生産までに平均7年かかる。上記のハンバーガー用レタスが例だが、長持ちするだけでなく、余分な部分を捨てることがない。」とコメントしている。ブロッコリーも、太い茎を薄く切って使う人もいるが、たいていの人はそのまま捨ててしまう。「実際には、この茎の部分が美味しく、かつビタミンに富んでいるので、もったいない。」と同社。そこで、同社が開発に着手したのは、茎が細いブロッコリー。これなら茎を捨てずにそのまま食べられる。

色が変わってしまったカリフラワーは実はまだ十分食べられるのだが、もう食べられないと考えて捨ててしまう人が多い。そこでシンジェンタ社は、色が変わらないカリフラワーの開発を行った。また独居者や少人数の家族が増える中、大きなカリフラワーは半分しか使わず、残りは古くなって捨てられることも多い。そこで長持ちし、色が変わらない品種が開発された。

種苗会社であるシンジェンタ社は農業ではトップクラスのワーヘニンゲン大学と共同で、2030年までに食品廃棄をこれまでの半分にするプロジェクトを行うと本日発表した。オランダの農業技術は世界でもトップ。農産物の輸出高は世界2位を誇る。

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